【d!】君の事が本当に嫌いでした。

23. ページ23

.






「悪いな、相馬。あいつ感情的で、すぐ動いてまう人間やねん。
まあ、なんつーか…お人好しな奴から、悪気は無いねん。あんま責めんといたってな。」


「それはまあ、話聞いてたらわかるよ。」


確かに、感情的なタイプだ。
捏島には確認もせず、自分で考えて動いたんだろう。友達想いではあるが、猪突猛進というか、一直線すぎると言うか…。

あぁ、聞きたいことがあるんだった。



「…あんたさ。話全部、聞いてたんでしょ」



そう言うと、捏島は目を丸くした。かと思うと、いつも通りの澄まし顔に戻る。


「まあな、最近シャオロンも微妙に挙動が可笑しくて気にしてたんや。
ほんでさっき、お前と話しとるの見えたから聞いててん。」


「ふうん…。」



私が気付いたというか、なんとなく聞いてたのかな、と思ったのは、「迷惑」という言葉からだ。

…捏島が来てからシャオロンさんは"迷惑を掛けている"なんて話はしなかったのに、捏島の口からその言葉が出たことに疑問を持ったから。本当に、それに対してのちょっとした疑問。別に確信を持って聞いた訳じゃなかった。

それだけ。



「ま、あいつの勘違いも解消されたわけやし。」


「…そうだね。」


「はよ行こうや。」


小さく頷き、私たちは図書室へと向かっていった。




.

24.→←22.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す