【d!】君の事が本当に嫌いでした。

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「…シッマ」




シャオロンと呼ばれた、先程まで私に文句を言っていた男は、彼を見るなり眉を顰めた。



「…」


片手でワークやら教科書やらを抱え歩いてきた捏島。教室に忘れ物をしたのだろう。私達を見て、不思議そうに声を上げた。


「え、何？告白でもしとったんか？なんや邪魔したなあ！」



「…なわけ」


全く持って的外れな事を言い出す捏島。ぎろりと睨んでやるとけらけらと笑い出した。捏島が笑い終わった頃、シャオロン、さんが、口を開いた。私を睨みつけながら。



「…シッマ、お前最近可笑しいで。
その女になんか言われとるんちゃうん、？

お前勉強嫌いやったやんか、
そいつに嫌々やらされてるんちゃうか？」



…普通の人から見たら、そう思われるのかな。なんて

確かにこの男は周りより多少顔がいいし、仲の良い女子…というか女子と話しているところを見た事がないから、私が何かしら変なことをしているとか。確かに、怪しまれてもおかしくはない。けど。

…善意で…、いや善意は無いに等しいけれど。

嫌いな人間の頼み事を快く善意で引き受けた身の私がどうしてこうも文句を言われなければならないのか。善意でも快くもないけど。…どうしてなのか黒々とした感情が沼を作るかのようにどろどろと湧き出てくる。



…なんで、私がこんなにイライラしているんだ？
誰のために、私はこんな苛立ちを覚えているのだ。



思考が考えたくも無い事にに気づいてしまったところで、捏島が何かを喋ろうとしていることに気づいた。






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