【d!】君の事が本当に嫌いでした。

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首を傾げながらも真剣に私の言葉を脳内にインプットしている。言葉の意味がわかっているのかは今更問わないが、こういう所の真面目さだけはもしかしたら桃瀬君並にあるのかもしれない。

なんて。




「…わかった。」


わかってない顔をしてる。


「…はい」


また私はワークにペンを滑らせる。

いくつか問題を解いたところでペンを持つ手が止まる。…あぁ、そういえばここ男に聞きたいことがあったのだった。


「ねえ、あんた中間の数学何点なの 」


前に鬱くんと捏島について話した時、彼が私の言葉に対して「せやろなぁ」と言ったことが少しだけ気になっていたのだ。彼に言われるくらいなのだから、相当な酷さなのだろう。
捏島と馬鹿騒ぎしている連中もきっとその事を知っているのだろうとも想像が着く。


「…赤点があるやんか。」


「赤点。」


私の高校では30からが赤点だ。
それがなんだというのだ。


「の、三分の一くらいや」


「…じゅう。」


「…おん。」



10点。…想像以上に酷い。私の中では流石に20くらいはいっているものだと思っていたが全くそういう訳では無いらしい。

…まあ、これなら鬱くんのいったあの言葉にも納得できるというものだ。…鬱くんもそんなにいい成績はしていないのだけれど。



「…30くらいは、越せるようにしてよ」


「……………おう。」





..

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