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高校二年の春
あの後すぐに春休みになってしまい、ハンカチの持ち主を見つける事が出来ないまま新学期を迎えた。
「Aー！」
クラス分けが書かれている掲示板を眺めていると、後ろから自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「あ、ユカ！おはよう」
「おはよ。どうだった？」
声をかけられたのは一年の時同じクラスだったユカ。
彼女とは凄く波長が合うから、一年前に初めて会ったとは思えないくらい仲良くなった。
そんな彼女が言う"どうだった"とは"クラス分けどうだった"の意味。
「一緒だったよ！」
「え、まじで！？」
「うん！同じ二年三組だった〜」
「嬉しい〜良かった〜〜」
二人で手を取り合って喜んでいると、校内放送で教室に移動するようアナウンスがあった。
「行こっか」
「うん」
一年間を過ごす事になる二年三組の教室へと向かう。
「あ、そう言えば拓弥も同じクラスだったよ」
「まじ？」
「うん」
「あいつ新しいクラスで友達出来るのか心配だわ」
「そんな事言ってるの本人にバレたら怒られるよ〜」
「だって本当の事だし」
「はは、まあ確かにね」
"拓弥"とは、ユカの幼馴染みの男子の事。
彼女繋がりで私も仲良くなった。
クールで冷たい印象だけど、話すと結構良いやつ。
拓弥も同じクラスなら色々楽しそうだな、なんて考えているうちに二年三組の教室に着いた。
「あ、席書いてある」
「本当だ。どこかな…」
教室に入ると、黒板に座席表が貼ってあった。
「A、一番後ろの席じゃん」
「あ、本当だ」
ユカが私の名前を指さして「いいなー」と羨ましがっている。
ラッキーと思いながらふと隣の席の名前を見ると、"小笠原海"と書いてあった。
何か芸能人みたいな名前…
「てか隣の席オガくんじゃん」
「え、オガくんって誰？」
「あれ？A知らないんだっけ？」
「うん、知らない」
「拓弥と仲良いんだよ」
「へぇ〜」
「オガくんも拓弥と同じサッカー部だよ」
「サッカー部………」
「カッコイイし頭も良いからモテるらしいよ。Aラッキーじゃん」
「はぁ…？」
今の私は"サッカー部"という単語を聞くだけで胸がズキズキする。
何故かと言うと、先日告白して玉砕した先輩がサッカー部だったから。
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作者名：京 | 作成日時：2019年2月24日 23時
