リナリア

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ピンポーン


シャワーを浴びてから身支度を整えていると、チャイムが鳴った。


祐基くんかな。


一応モニターで確認して、液晶に映っている祐基くんに「今開けるね」と伝えて玄関の鍵を開けた。




「来るの早すぎた？」

「ううん、大丈夫だよ」

「良かった。じゃあ行こっか」

「うん」




私達は家から一番近い駅前の交番へと向かった。



勿論、警察のお世話になるなんて生まれて初めての経験なので少々緊張している自分がいる。


祐基くんに一緒に来てもらって良かった…
自分一人だったらどんなに心細かったか分からないな。




交番に着いて、祐基くんが「すみません」と声をかけると、中から40代くらいの男性のお巡りさんが出てきた。

その方に、昨日の出来事を一通り話すと、私から詳しく話を聞きたいので祐基くんだけ席を外すよう言われた。




「じゃあ俺、外で待ってるから」

「うん、ありがとう」





幾つかお巡りさんからの質問に答えると「分かりました」と頷いて、きちんと対応してくれると言ってくれた。




「最近、若い女性を狙ったストーカー被害が増えてるので、あなたみたいに身近に自分の身を守ってくれる彼みたいな男性がいるのは凄くいい事ですよ」

「…そうですよね。実際昨日も彼のお陰で凄く助かったんです」

「こういう時は遠慮なんてせずに、彼みたいな周りの男性や、私達を頼って下さい」




外にいる祐基くんに目線を向けながらそう言ってくれたお巡りさんに「ありがとうございます」と伝えて、交番を後にした。





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