さよなら,どたばた生徒会【stpr】

なかなおり ページ9

Aside


和磨さんは全部話してくれた



両親に捨てられたこと


さとみ先輩が拾ってくれたこと


いつだって優しくしてくれたこと


気づけば、さとみ先輩を好きになってたこと



私に手を出したのは、さとみ先輩の気を引くため


『そうだったんだね…』



凛)ほんとにごめんなさい…
あなたは何も関係ないのに



和磨さんは涙目で言った



確かに、私の日々はつらかったけど



和磨さんだってつらかったんだよね



許せないわけ、ないじゃない？



凛)…っく、ぐす、ひっく…


泣いてるのも綺麗だなあ…



ﾎﾟﾝｯ


私は和磨さんの頭を撫でた



『大丈夫。私でよければ、話聞くから』



凛)雨宮さ、っ……


ｷﾞｭｳｯ



和磨さんは私を抱きしめた



あったかい…



和磨さん、思ったより体小さい…



こんな小さな体で大きなことを抱えてたんだ



『いくらでも泣いていいよ、大丈夫。』


さ)おいA、それ俺の役目なんだけど？




ｶﾞﾊﾞｧｯ


私と和磨さんは同時に上を向いた



『さとみ先輩！？なんで…』


さ)打ち上げこれから行くってさ。
近くにいた俺がAを呼びに来たんだよ



ああ、打ち上げ…


これから…？



え、花火←



さ)それより、なぁ、凛


さとみ先輩はニッと笑う



凛)っ、…お兄ちゃん…ｯ



さ)あの時は、ごめんな？



凛)ううん、全然いいの…ｸﾞｽｯ



わーーー私空気ーーーーーーーーー



じゃきちゃんとこ行こう…



じゃきちゃんのほうに向かって歩き出した



凛)Aちゃん、ありがと…



はじめて和磨さんは、私を名前で呼んだ



むず痒がったけど、嬉しかった




『…うん、凛ちゃん！！』



小さな友情が、芽生えた瞬間だった

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