継子 親権 私のもの？[検索] ページ12
ひとつ、育手が来歴確かであること。
ふたつ、上昇思考があること。
みっつ、勝ち目のない戦いに挑まないこと。
これらがAが継子に求める条件である。
あわよくば黒髪だと嬉しい、とも思っていた。
「階級と名前は？」
なので、内心スゲ〜はぎいでいた。でも努めて平静を装い、Aは目の前の少年隊士に問いかける。怖がられてはいけないと思って。
無駄な努力である。
先程まで上弦の壱相手に一方的な防戦を強いていた上司に話しかけられた時点で、獪岳は戦々恐々なので。
「……ひ、丙。獪岳、です」
「カイガク？漢字は」
聞かれて、ギョッとする。
質問内容ではない。
柱ともあろうものが地に膝をついたからだ。
Aは腰を抜かしてしまった獪岳の隣にしゃがんで、彼の手を取った。血と土埃とで汚れている。それを懐から取り出した瓢箪で洗い流し、手拭いで拭く。幼子にするように、指の股まできれいにしながら。
「あの、……お召し物が、」
「私の質問に関係がないことを話すな」
情緒大丈夫かというような態度であるが、通常運転だった。基本的にAは徹底した効率&実力主義の、ガチガチ縦社会の人間である。
怖がられたくないが、舐められたくもない。
だのに妙な優しさが獪岳を戸惑わせる。
「ろ……老獪の獪に、
「獪岳、なるほどな。育手は？」
「……桑島慈悟郎です」
「……ほお」
「ご覧くださいお館様」
「おや」
「継子です。立派でしょう」
「カブトムシか何かのように見せるものじゃないよ」
「帰りがけに見つけました」
「よかったね」
Aは嬉しそうに獪岳のことを持ち上げた。
脇に手を入れて、それは完全に犬猫の扱いである。
姫抱きにされてほとんど最高速度で運ばれた獪岳は、羞恥と混乱と恐怖とで失神していた。輝哉はニコニコするばかりで、そばにいた輝利哉だけが気の毒そうにオロオロしている。
一応上弦の壱についても報告したが、本題は完全にこちらであった。
「継子のことは分かったよ。でも、大丈夫かい」
「？……と、言うのは……」
輝哉は困ったように微笑んで、自分の首筋を指先でトントンと指した。Aも無垢にそれを真似して、うなじに指が触れるので、そういえばと思い出した。
この時代において女性の短髪なぞはトンでもないことである。
……でも、まあ。大丈夫だろ。
誰に見せるための姿でもないし。
ちなみに五話ほど後のネタバレであるが、何も大丈夫ではない。
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海神 瑠花(プロフ) - 再会ですか！？わーー！！このシリーズすっっごく好きで更新あったりしないかな〜って常々楽しみにしていたので嬉しいです！ありがとうございます楽しみにしてますね！！ (6月27日 7時) (
レス) id: 047a8ff329 (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50%(プロフ) - ノルンさん» 再開していきます…！応援ありがとうございます♡ (6月21日 22時) (レス) id: d38558f5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新されとる！！！！！！！ありがとうございます！！！ (6月21日 7時) (レス) @page7 id: 01548bf821 (このIDを非表示/違反報告)
shashakidayo(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて何度も読み返してます！更新の予定はありますか？！ (2021年1月3日 1時) (レス) id: 2928414592 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - スピード、センス、ギャグ、ノリ、何をとっても最高に面白かったです！！続きも楽しみにしてます!!! (2020年7月6日 17時) (レス) id: 6412d0e74c (このIDを非表示/違反報告)
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