ゝ ページ20
玖ノ型・煉獄
破壊殺・滅式
──最大火力である。
ぶつかって、爆発的な衝撃が広がった。ややあって土煙が晴れてゆく。立っているのは？勝ったのは？
……生きているのは？
必死に目を凝らす炭治郎は、
「へっ」
ひとりの、女を見た。
それは赤い剣の如き立ち姿であった。
歪まず、曲がらず、無機物じみた静謐さを携えて。一つに括られた黒髪が、裾に火がついたような羽織の上で揺れている──
「……いっ」
Aだ、と分かった。
ついさっきまで、他の車両にいた彼女が怪我をしていないか、胸を痛めていた。だから混乱の中にあってもスグに思い至った。脳裏にあの綺麗な姿をハッキリと思い描いていたから……
「いや、……え！？Aさん……なんっ……ていうか煉獄さん……え！？鬼は！？」
けれど、それと納得とは別である。
大声を出すと腹の傷が痛んでたまらなかった。それを忘れるほどだった。
ひときわ強い一陣の風が吹く。Aの髪がひらめき……ハッとした。辺りを見渡す。煉獄の姿は──背後にあった。その姿は隊服のみだ。やはり、Aが着ている羽織は煉獄のものだった。
よく見ると、前方、車体に猗窩座が頭からめり込んでいる。
「っな。なん、な………！？」
あの女が、技のぶつかり合いに入り込んで、二人を吹き飛ばしたとしか考えられない状況である。
しかも、手負いの煉獄から羽織を剥ぎ取って。
ただでさえ重症の煉獄は、頭を打ったのか、目を回して起きる気配がない。対して猗窩座はと言うと、いつの間にか起き上がっていた。
首を鳴らしながら煉獄の方へ足を進める。
それは次で終わらせる、と言うような、迷いのなさだった。
「ど、……なっ……ハァ！？どうしてくれんだあの女！このままじゃ」
「落ち着け伊之助！俺とお前で煉獄さんたとを守」
「猗窩座と、いったか」
Aが口を開いた。
その問いに猗窩座は応えない。歩みを止めず、躊躇わない。無関心。その理由を、炭治郎たちは分かっていた。
恐るべきことではある。
スゴいことではある。
……けれど、この人は煉獄さんほどじゃない。
恐らくは、技術だ。それから胆力。猗窩座と煉獄の放った大技の、勢いを、流したのである。それは凄まじいことだ。
凄まじいことでは、あるのだ。
それでも敵わない。
だって匂いが、気配が、変わらない。
あの人は、ただの女だ。
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アホ毛50%(プロフ) - 玲さん» マジで有難いです……やる気出ます……がんばります……(ToT) (2022年10月7日 20時) (
レス) id: a42aa73c2c (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - どうかお身体にはお気をつけてご無理はせずに更新、活動していただけましたらと思います……！ゆっくりのんびり待っております。想像以上に長くなってしまいすみません……！！長文乱文等失礼しました。応援しております……！ (2022年10月7日 16時) (レス) @page45 id: 94771a4103 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 喉からどこかの鳥の声でも発してしまいそうでした。続編……書いてくださる…………？夢でも見ているようです。この幸せを沼鬼に負けないくらいの気持ちと勢いを持ってギリギリ噛み締めます。(？)(申し訳ありません次で終わります) (2022年10月7日 16時) (レス) @page45 id: 94771a4103 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - もう超大好き！！！となっていたというか今も勿論のことなっています書いてくださりありがとうございます。 そうして今もまた読み直していたら、文章が変わっている……！？と気付き更新日時を確認しましてア゜〜〜！！！と大歓喜のあまり(続) (2022年10月7日 16時) (レス) @page45 id: 94771a4103 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - コメント失礼致します。何回も何回も読み直し、そのたびこの作品は本当に面白いなあ、と思い、読了すると大きすぎる満足感と言い表し難いほどの感動が一気に込み上げてきまして、その感覚は頻繁に感じるものではなかったものですから、本当にこの作品はもう……(続) (2022年10月7日 16時) (レス) @page45 id: 94771a4103 (このIDを非表示/違反報告)
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