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1滴 ページ2

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『ぷはぁ!』





水中から頭を出して私は空気を吸い込む。元気に光る太陽の陽射しに目を細めながら池の縁に手をのせて





『今日もレオは来てくれるかなぁ』





なんて言葉を残して私はまた池に潜る。
広くて深い池は私一人では寂しいくらいだ。




でも、そんな一人ぼっちだった私に話しかけてくれたのはレオだった。レオの話は面白くて、とっても楽しかった。
まるで色のなかった私の世界に色がついたみたいに、私のみている世界は変わった。




そんな思い出に浸りながら私は水中を泳ぐ。
すると





「Aうっちゅ〜!……っていない?!もしかして宇宙人に攫われたのかっ?!」





レオの声が聞こえてきた。
レオの声はよく通るなぁ。
なんて小さく笑い私は上へと泳ぎ





『やっほ〜レオ』





レオに手を振り話しかける。





「あ!A!」





そんな私に気づいたレオは太陽のような笑顔を向けながら、池の縁に手をおき私と距離を縮める。





『今日も作曲?』





レオの手にある紙を見つめながらそう尋ねる。





「うん!霊感(インスピレーション)がどんどん湧き上がってくるからな!」





レオはそう言って持っている紙に音符を書き出す。ペンは紙を滑るように動かされ、レオを見ているうちに、いつの間にか曲が出来上がっていた。





「これ!歌ってみて!」




子供のように私に紙を差し出すレオに私は少し不安になりながら受け取る。
レオの素敵な曲を私が歌ってもいいのだろうか。
そんな疑問をずっと抱いていたが、堪らなくなった私は口に出した。





『私の声でいいの?』


「?Aの歌声はとっても綺麗だろ」





さも当たり前のようにそう言ったレオに私は目を見開く。その後に「もちろん声もだけどなっ!」と笑うレオ。
ずっと不安だったけどレオがそう言ってくれるなら





『そっか、よかった』





安心できるや。
少し暖かくなった胸に綻んで歌い出す。レオが私に歌って欲しいという曲はいつも優しくて暖かい。




そんなレオの曲が私は大好きで、出来ればずっと歌っていたい。





『これでいいかな?』


「うん!やっぱりAの歌声は綺麗だなっ!」


『ありがとう』





そんなことを思う毎日が幸せなのだ。

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作者名:ぽぽ | 作成日時:2021年1月30日 12時

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