サクラ咲く25 ページ27
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『知っての通り、私は焦ると言葉遣いが可笑しくなるし、愛想笑いすら下手。
一人前の令嬢とは言い難い。』
今までずっと、昴…赤月くんは私を守ってくれていた。
返答に困った時は、私を背に隠して相手と会話を続けてくれた。
私が危ない目にあったら、あわせた相手をコテンパンにした。
出来ない。行きたくない。そう思った時は断りの言葉を言ってくれた。
『貴方が私にはもったいない、と何度も思った。けど、私の立場を立ててくれる素敵な執事に出会えたのは…とても幸運だと思う。』
一期は彼と違った。
返答に困った時は私に選択肢を提示して、私が選んだようにしてくれる。
私が危ない目にあったら、駆けつけて私を相手から守ろうとしてくれる。
出来ない。行きたくない。そう思った時は「自分もいる」と勇気づけてくれる。
赤月くんに守られていた。それは私の怠慢と言っても過言ではない。
やりたくない。自信のないことを避けるようにしていた。
でも一期は違った。
”「末永くお傍で誠心誠意、仕えさせて頂きます。主殿。」”
『私を一番に考えてくれる貴方を、私は自分でも驚くくらい信頼してるの。』
目を瞠って私を注視する一期の口がはくり、と動く。
その口は確かに私を呼んだ。
────Aお嬢様、と。
『ブターナさんは立ち振る舞いがダメだけど、会話能力が高い。
最新の話題とかに敏感で、私とは正反対の人。そんな人と貴方は絶対合わない。』
『今の主従を続けるには優勝しかない。
私はこの先、何があっても貴方以外を執事にするつもりは無いわ。』
その言葉を聞いた瞬間───、一期は立ち上がり手を彼女の頬から外す。
一歩下がり床に片膝をついた。心臓のある胸に手を当てながら、彼女を見上げる。
「もちろんにございます。
私自身、貴女様以外の者に仕えるなど考えられません。」
『私と、優勝…してくれる？』
「はい。」
『ありがとう、一期。』
嬉しそうに微笑むAにニコリと笑いかけると、静かに頭を下げる一期。
「我が身は御身の在る所に。我が本体は御身の栄光とともに。
例え我が本体が錆びれ、刃が欠け、鉄屑になったとしても…我が忠誠と魂は御身とともに。
───何時いかなる時も御身を”必ずお守りします”。」
刹那───二人の周りを、祝福のように桜が舞った。
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続く (更新停止中)
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イクト(プロフ) - 長い間お待たせしました。実は妹から「一期にこの台詞(題名)言わせて！」と頼まれ、悩みに悩んだ末の最後のシーン(考えること約１ヶ月半)。正直やりきった感でいっぱいです。(泣) (2017年11月22日 23時) (
レス) id: a5c85148ff (このIDを非表示/違反報告)
ちゃあちやん - ヤバイ。一期〜！！！カッコいい///このかっこよさに溺れる...。 こんな神作品に出会えて幸せすぎる 少しづつ更新頑張って下さい！続き楽しみに待ってます！ (2017年9月3日 0時) (レス) id: 0568748180 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - こんにちは。９話の何ヶ所か赤月が暁になってますよ。
ここお嬢様学校なのに挨拶が「ごきげんよう」でもエレガントな敬語で会話でもないのですね(笑)。
執事も敬語とかじゃない人もいるみたいですし。
設定とか『メイちゃんの執事』を思い出して懐かしくなりました。 (2017年8月29日 12時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 更新待ってました！！いち兄めっさイケメンですな！？！？お覚悟と言われた瞬間意識が飛びかけました←更新頑張ってください！応援してます！ (2017年8月24日 12時) (レス) id: 215900ac93 (このIDを非表示/違反報告)
悠紀(プロフ) - え...やば...いち兄イケメンすぎ...更新頑張ってください！続きが気になります！！ (2017年4月4日 16時) (レス) id: add63ccc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イクト
| 作成日時：2016年8月3日 1時
