【刀剣乱舞】必ずお守りします【一期一振】

サクラ咲く9 ページ11

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「A殿。昼食に致しましょう。」






午前中の授業を終えた後、中庭のベンチで一期と昼食を食べる為に下の階へ降りる。





その最中、さり気なくエスコートをしてくれる一期に感心した。
昴……いや、赤月くんはエスコートをしてくれる事がなかったから少し新鮮な感じだ。





片手にサンドイッチの入ったバスケット籠を持ち、もう片方は私の手を取っている。




他愛ない話をしながら廊下を歩くと、他のお嬢様方が一期に熱い視線を向けて…






「あの方が泉道寺さんの新しい執事さん？」



「素敵ねぇ…！」



「赤月くんもカッコよかったけど、あの方は違ったカッコよさがあるわ。」






色々な言葉が耳に届く。
そうだよね。一期カッコいいもん。








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人が多い。

学校だから当然とも言えるが。出来るだけ…後ろをA殿にバレない程度で確認する。





「(…やはり。)」





視界に入ったのは赤月昴とブターナ・豚子。
15mほど離れて後ろをつけてくるあの2人を、なんとしても撒きたいのが本心だ。




何より、あのお嬢様は趣味の悪い香水の匂いが強く、近くで食事など出来るはずがない。









赤月 昴。A殿の執事を務めた彼。

勝ち気で血の気が多く、プライドが高い。剣の腕は中々の物だと和哉殿が褒めるほど。
学院に通う執事の中で元最高ランクの保持者。






私から見た彼の印象は良くない…。






授業中の私へ向けていた視線。気づいていないと思ったのだろうか。






執事たる者、私情を顔に出す事は良くないというのに。





「…。((ｸｽｯ」





「ﾂ……！！？」





渡しはしない。






A殿の執事の座はこの一期一振…いえ、粟田口一期のものですぞ。






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