13話 嘘吐き ページ13
「因みに言うけど決して私の好きは恋愛的な下心を含む物ではなくあくまで上司として、先輩としてであってそこは勘違いしないでね」
多少言い訳がましく聞こえるがそんなことよりもガイアは自分がAへ向ける気持ちを気づかれていることへの驚きの方が強かった。
ガイアは別にAが鈍いとは思っていなかったし、自分に思うところはあるだろうぐらいには思っていたが、心の奥底で誰にも見つからないよう隠している
「ははは、そんなことは無いさ。俺はお前のことは信頼してるし信用してる。お前が俺をなんだかんだ言いながら慕ってくれてるように俺だってお前のことが好きなんだぜ?」
バレたとしても、それでもガイアはやはり隠し続ける。
いつも通り、人の良い笑みを浮かべる。
ガイアの顔を見たAはまだ上辺を取り繕うとする様子を見て少し憤っているようだ。
「・・・そう。私の勘違いならそれでも構わないわ」
―――嘘をつくならもっと上手く着いて欲しいわ。
Aを見るガイアの眼は何時ぞやと変わらず冷たいものだった。
「それじゃあ私、仕事終わったから帰るわ」
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作者名:コカゼ ナヅ | 作成日時:2023年7月10日 2時