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でも、強く言ったことを一番自覚しているのは彼のはず。雰囲気を凍らせたままにしてはいけないと思って微笑んだ。
自分の表情なんて見えないから、どんなものだったのかは分からない。彼がそれを見てどう感じたのかも分からない。
翠「っ…少し強く言いすぎました。無礼を働いたことをどうかお許し下さい。私情を挟み過ぎました。それでは失礼します。…おやすみなさい。」
彼の顔は見えなかった。少し嫌われてしまっただろうか…いや、「おやすみなさい」と言ってもらえたからそれは無いと願っておくか。
彼に突きつけられたのは、俺が一番目をそらそうとしていた部分だった。苦しくない…訳がない。
彼には止められてしまった。でも俺は少しでも、彼の…王子様の隣に、近くにいたい。我儘だってことは分かっている。叶わないことなんて重々承知している。
だからこそ、簡単に…諦めたくないんだ。
次の日から、予想していたことだけど今までの日常は完璧に変わってしまった。
まず、王子様と一緒にいられる時間がほとんどない。仕事が増えたこともそうなんだろうけど、姫様といる時間も長いそうだ。
悪気は無いんだろうけど、侍女の方達がコソコソと話しているのを耳にした。
一緒にいられる時間がたまにあるけど、それも二人きりではない。必ず、姫様も一緒にいらっしゃる。別に二人じゃないと話せないこともないから支障もないはず。
だけどやっぱり…寂しい、な。
俺の車椅子を押すのは、また侍女の方達が増えた。多分だけど、あまり彼の側近を俺につけるのは良くないんだろう。
もちろんたまにはある。ジェシーさんは今までと同じように俺に話しかけては一人で笑っている。
でも…慎太郎さんが業務的なこと以外で自ら俺に話しかけて下さることはなくなってしまった。ほとんどが質問、それも俺の許可を取るような。
やっぱり嫌われてしまったのだろうか…と思ったけど、真面目な彼のことだ。少なからず、罪悪感のようなものを感じているのかもしれない。
でも、彼は何一つ間違っていないんだ。彼の立場から言えば最も正しい反応。真面目な彼ゆえの対応なのかもしれないけど、前よりも距離を感じるそれは少しだけ…寂しかった。
心が休まるのは、優しい侍女と執事の方達と一緒にいる時間だけとなってしまった。
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Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
