diligent ページ4
部屋へと戻った時にはもう、自分がどうやって意思疎通をとっていたのか分からなくなってしまっていた。分かってもらえてたんだな…。
そこではっと意識を元に戻す。そういえば、今日は慎太郎さんがずっと付いていてくださったな。
部屋にはまだ彼がいらっしゃって、お礼を伝えなければとノートと万年筆を手に取った時
翠「…これは、私の独り言だと思って聞き流して下さい。」
と彼が口を開いた。突然の事で驚いたけど、とりあえず彼の言葉に耳を傾けた。
翠「ラウール様は殿下の命の恩人なんです。それに加えて彼女は帝国の人間。お二人が結婚なされば、この国と帝国との繋がりはより強固なものとなる。ですから…亮平様は身を引いてはもらえないでしょうか。
そしてここからは、殿下の側近の慎太郎ではなく蓮の幼馴染の慎太郎の言葉だと思ってお聞きください。
俺は蓮が幸せになれるのだったら、あいつがどんな選択をしたとしても否定する気はさらさらない。でも…あんたは違う。あんたは、あいつを見ていない。…違うやつに重ねてるだろ？
いくら貴方でも…あいつを傷つけることだけは、絶対に許さない。」
釘を…刺された、真面目な彼に。雰囲気は違えど、やはり“慎太郎”らしい。それに、バレてしまっていた。彼ではなく、“彼”を見ていたことを。
でも、一つだけ訂正をさせて欲しい。俺はなにも…彼を利用している訳じゃない。
最初は、確かに彼のことが見えていなかった。今みたいに“彼”と比べてばかりで。でもそれも違うと最近は思うんだ。
キャラクターとはいえ彼らも一人間。魔法でつくられていても、感情は全て彼らのものだ。それは、今まで過ごす中で少なからず感じていた。
人形でも、コンピューターで操られているわけでもない。彼と“彼”は全くの別人。そう考えた時、俺は最初よりも彼と向き合えている気がする。
自分に甘いだけかもしれないから断言はできない。でも…この気持ちは偽物じゃない、完璧に否定なんてされたくない。
だって、あんなに姫様に嫉妬してしまったんだ。重ねている“だけ”だなんて、どうしても思えないんだ。
でもまだこの気持ちに名前をつけることが早いのは自分でもよく分かっている。俺の中でもこの感情は複雑に絡み合っているだけ。
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Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
