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黒「！ 亮平、声が…」
お互いに、驚きと情報過多で言葉が出てこなくなってしまった。
少しだけ頭が回転した時に、“もしかしたら立てるようになったかも”と思って、徐に足に力を入れると多少のふらつきはあったが立つことが出来た。
彼は、それを見てさらに目を丸くさせた。
足も一ヶ月半ぶりだけど、筋力の衰えは無いようだ。なるほど、これが魔法の世界。
と、考えられるほどには大分落ち着いてきた。とはいえ、まだまだ動揺は無くならない。
本当に…王子様が、俺を…？
落ち着いてくるのと同時に段々と自覚していく。情報が整理されていくにつれて、顔に熱が集まるように感じる。
自分の顔なんて見ることは出来ないけど、きっと茹でダコみたいに真っ赤になっているんだろう。そんな気がする。
黒「亮平…大丈夫？」
「…大丈夫、です。」
心配そうにこちらを覗き込んでくるその顔は、初めて会った時となんら変わりない。あの時のままだ。
最初は“彼”の鏡写しのような存在だと思っていた。でも、それは大きな間違いだった。彼は、彼という一人の人間だった。
そのことを感じている俺にとって、彼の存在はかなり大きなものになってしまったらしい。…こんなに大切だと思うようになるなんて、始めは考えてもいなかった。
翠の彼からは、まだ利用していると言われるかもしれない。でも…
黒「…亮平？」
「殿下。…私も、殿下のことを…お慕いしております。」
目がこぼれ落ちそうなほど開かれた瞳。それは一瞬にしてくしゃっと優しいものに変わり、いつの間にか俺は彼の腕の中にいた。
姫様…約束、守りましたよ。
黒「嬉しい…。亮平が同じ気持ちだったなんて、思ってもいなかった。」
優しくてあたたかい抱擁。でもそれは、どこか…壊れ物にでも触れるような、そんな不安定さを感じた。
腕が緩んで目が合うと、彼は
黒「ごめんね、亮平。俺は、あくまで自分の気持ちを伝えただけなんだ。…亮平の気持ちは、受け取れない。」
「ど…うし、て…？」
黒「ねえ…亮平、やっぱり亮平は
ここに、いちゃいけないよ。ちゃんと…自分の世界に帰らなきゃ。」
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Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
