百四十二本 ページ49
花村side
「ね、ねぇ！みんな助けてよ！ぼくはただ狛枝を止めようとして…それでっ！」
モ「オマエだって本当は…狛枝クンの計画を知ってチャンスだと思ったんでしょ？彼の計画を乗っ取った上で彼を殺しちゃえば、きっと誰にもバレないはず…そう思ったんでしょ？」
「ち、違うっ！ぼくはっ！」
モ「殺意のない人間が…あんな風に人を殺せる訳ないじゃん」
「…ううっ！！」
モ「本当は狛枝クンを殺して…みんなを犠牲にして生き延びようの必死だったんでしょ？素直になりなさいよ…最後くらいは」
「う、う、う、ううううううっ…うわあああああああああああああっ！！」
ソ「は、花村さん…！」
小「アンタが狛枝を殺そうとしなければ…十神が殺される事もなかったんだよ…答えてよ、花村っ！どうして人殺しなんかしようとしたの！？」
「う…うう……ぼ、ぼくは…どうしても…どうしても帰りたかったんだよぉ…どうしても帰らなくちゃいけなかったんだよぉおおおおっ！」
だって…待ってるんだよ
お母ちゃんが…田舎で待ってるんだよ
ぼくが希望ヶ峰学園を卒業して戻ってくるのを…
1人で待ってるんだよ
ー「じゃあ、行ってくるね！ンフフッ…次に戻ってくる時は、青山支店と麻布支店の話も一緒だと思うよ！」ー
ー「まーた、そんな事ばっかり言ってるよ…」ー
ー「冗談なんかじゃないってーだって、卒業したら成功を約束される学校なんだよ、だからさ…1人で大変だろうけど…それまで待っててね…」ー
ー「あぁ、そうだね…じゃあ、それまでは…花村食堂を潰さないように頑張らないとね」ー
ー「だから、頑張らなくていいって！1人の時にまた倒れたりしたらどうすんのさ！」ー
ー「…大丈夫だよ、母ちゃんは強いんだ、病気なんかには負けないって…」ー
ー「はは…そんなのわかってるよ…」ー
ー「…………………そ、そんなのは…分かってるよ…」ー
約束…したんだ…
ぼくが立派な料理人になって
花村食堂を助けるって約束したんだよ
お母ちゃんが…その約束を待ってるんだ
病気がちで…たった1人で…
それでも待ってくれてるんだよ
「だから、ぼくは帰らなくちゃいけないんだよぉ！！」
ソ「は、花村さん…！」
「それなのに…記憶を奪われたとか…入学から何年も経ってるとか…そんな事言われて…だったら、花村食堂はどうなったんだよぉ！ぼくを待ってる母ちゃんは…どうなったんだよぉ！」
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2024年1月8日 0時
