事件の真相 P.花村 ページ42
日向side
｢まずは、パーティーが始まった直後から、事件を振り返ってみるぞ…｣
｢十神の呼びかけで、オレ達はホテルの旧館の大広間に集まった、十神はある人物から送られた殺人予告を見て、今夜､殺人が起きる可能性があると警戒していたんだ｣
｢そこで、あいつはオレ達を監視しておく為に、パーティーを開く事にしたんだ、そして、全員集合って訳にはいかなかったけど…パーティーは始まった｣
｢でも、その時すでに、ある人物が仕掛けた罠は動き出していたんだ、そいつは倉庫のコンセントに3代のアイロンを繋ぎ、旧館の電力消費をギリギリの状態にしておいた…｣
｢その上で、11時30分になると作動する、ある仕掛けを用意したんだ、それは事務室と大広間にあったエアコンだ、そいつは､そのタイマーをセットしておいたんだ、すでに、アイロンでギリギリの消費電力だったせいで、エアコンの起動と共にブレーカーが落ちてしまった…｣
｢そして、窓が封じられていた旧館は、停電と同時に完全な暗闇に支配されてしまったんだ、でもその時、十神は持ってきたジュラルミンケースからある物を取り出していた｣
｢それは、暗視スコープだ、殺人を警戒していた十神は、様々な防犯グッズを現場に持ち込んでいたんだよ、暗視スコープをつけた十神は、そこで、ある人物の不振な行動を目撃した…｣
｢狛枝が卓上ランプの電源コードを手繰って、テーブルの下に入っていったんだ、そう、ここまでは何もかも、狛枝の計画通りだったんだ、十神に殺人予告の手紙を送りつけたのも、停電の仕掛けを作ったのも…狛枝だったんだよ｣
｢そしてその頃て…停電になった厨房では、別の人物…真犯人が別の行動を開始していた、おそらく、犯人は狛枝の殺人計画を知っていて、停電が起こる事もわかっていたんだろうな…だからこそ、犯人は暗闇の中で犯行に必要な道具を事前に準備できたんだ｣
｢まずは“明かり”…これは厨房の備品にあったカセットコンロだ、そして“凶器”…これも予め厨房に隠してあった物なんだ、シュラスコ料理用の長い鉄串だよ、犯人は、それを骨付き肉の中に隠しておいたんだ｣
｢その凶器とカセットコンロを手に、廊下へと出ていった犯人は…自分の手にある明かりが大広間の方に漏れないように、まず、廊下の防火扉を閉じたんだ｣
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2024年1月8日 0時
