百十二本 ページ17
日向side
「犯人は暗闇の中をあのテーブルまで移動するのに、卓上ランプを使ったはずだ」
威『卓上ランプ…?』
狛「卓上ランプを…まさか明かりに使ったとか言わないよね?」
田「旧館は停電中だったのだ…卓上ランプなど使えるはずあるまい」
もちろん、卓上ランプの明かりを使った訳じゃない
犯人がそこで使ったのは…
「犯人は卓上ランプの明かりじゃなくて、その電源コードを使ったんだよ」
罪「で、電源コード…ですかぁ?」
「電源コードを手繰りながら移動すれば、卓上ランプのあるテーブルまで辿り着けるだろ?そうやって目的のテーブルまで移動した後は、夜光塗料を目印に、ナイフを取ればいいだけだ」
七「しかも…それが可能だった人って、私達の中にたった1人しかいないんだよね」
花「そ、それって…誰の事?」
俺達の中で…それが可能だった人物は…
【お前しかいない!】
「…狛枝、お前なんじゃないのか?」
狛「ボ、ボクが…?」
威「日向君…何言ってんだよ!凪斗が犯人だなんて、そんな訳ないだろっ!!」
「停電直前のみんなの立ち位置を見ると…卓上ランプの電源コード上にいたのはお前だけなんだ」
弐「つまり…電源コードを手繰って移動できた者は狛枝以外におらんという事か…!」
狛「そ、そんなのただの偶然だよっ!」
威『そうだ…誰がどこに立つなんてその時によるだろ!たまたま電源コード上に立ってただけで犯人扱いなんて…』
七「でもさ…狛枝くんにはチャンスがあったよね?テーブルにナイフを仕掛けるチャンスがさ…」
「狛枝…お前は朝からずっと、あの大広間の掃除をしてたんだったよな?それなら…ナイフを仕掛けるチャンスは、いくらでもあったはずだ!」
狛「そ、それは…っ!」
「電源コードの件といい、掃除当番の件といい、お前だけにそれが可能だったなんておかしいぞ!」
狛「だ、だから偶然なんだって!」
七「1回だけならまだしも、そんな偶然が2回も重なるなんて…うーん、どうなんだろ?そんな事が起こる可能性ってあるのかな?」
威『そんな事くらい…たまにあるだろ!』
西「威榧おにぃ、やけに狛枝おにぃの事庇うねー?なんだか怪しいなー」
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作者名:コヒ・ミルキー | 作成日時:2024年1月8日 0時