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花弁二枚 ページ10

〜数年前〜



















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人通りが少なく、太陽が姿を隠す頃
だんだんと影が差す公園に
ブランコに乗っている少年が一人











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グゥゥゥ




『おなか…すいたな…』




そう呟いた少年は少しブランコを揺らすもすぐに飽きて
遊び道具が散乱する砂場に走っていった




『…これはハンバーグ……これは…オムライス…』




少年はそこに落ちているスコップを使って
色んな食べ物を作っていた
まるで空腹を紛らわすかのように
少年はそれを少しずつ崩していった
まるで食べているかのように




全てを崩し終わった少年はしばらく空を見上げた後に
手の砂を落とし、公園を出て暗い道を歩いて行った




時々子供連れや仕事帰りの人とすれ違うが
誰も少年に手を差し伸べなかった
何故なら少年は転んだという言い訳だけでは
説明が付かない程に酷い怪我を負っていた




面倒事になんて関わりたくないのが世間の本音だろう




少年は家の前で屈んでいた
両親から家に入る許可が出るまで待っているつもりだろう




少年は時々通り掛かる人達を眺めながら
両親が家から出てくるのを待っていた

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作者名:コヒ・ミルキー | 作成日時:2023年10月21日 3時

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