【狛枝凪斗】不幸中の幸い【男主】 (ページ7)

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花弁一枚ページ7

〜希望ヶ峰学園入学式〜

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桜が咲き乱れる季節
入学式を終えた少年少女達が
未来に希望を持って歩いて行く
その中に日陰を歩く少年が二人

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「今日の晩御飯なんだろうね」

『…ハンバーグじゃない？叔母さん好きだし』

日常会話からこれからの事まで
仲睦まじく話している彼らは今年の新入生

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「僕はこれから教室に行くけどAはどうする？」

『…帰る……疲れた…』

「そっか、学校が終わったら僕もすぐに帰るからね」

『せっかくの入学式だしゆっくりしていきなよ』

「いや、Aの方が大事だから、じゃあまた家で」

藤色髪の少年は白髪の少年と別れ
誰もいない廊下を一人で歩いていた

ー……！…！ー

ー…めて……やめ……！ー

爽やかな空間に似合わない悲鳴が少年の耳に響いた
辺りを見渡すと彼と同じ新入生らしき男子生徒達と
彼らに囲まれる女生徒が見えた

人前に出るのが苦手な彼はそのまま帰るか悩んだ
この先後悔すると思ったのか彼は怯える女生徒の前に出た

ーあ、あの…ー

女生徒は震える彼を心配していた
楽しみを邪魔された男子生徒達は苛立ちを見せていた

苛立ちが絶頂に達した男子生徒達は
女生徒に絡む事を諦め、彼に手を上げた

女生徒の存在を思い出さぬまま彼らは帰って行った
酷い怪我を負った彼は女生徒の無事を確認した

ーだ、大丈夫…？ー

『…うん…』

ーあの…ー

『…じゃあね』

ある程度血を拭き取った彼は
心配そうな表情を浮かべる彼女を背に校門を出た

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