三本 ページ4
狛枝side
入学式にしか来てないAは
校舎や廊下を見渡しながら歩いてる
僕はもう慣れたけど、Aのこんな姿見れるなんてね
そう考えると連れてきてよかったな
Aの事を見てたら思ったより早く僕達の教室に着いた
扉を開けたらすぐそこに九頭龍君がいたから
立ち止まったから後ろを歩いてたAにぶつかった
威『痛…』
「ごめん、大丈夫?」
そういえば、今まであんまり意識してなかったけど
Aってボクより少し小さいんだよね
だから必然的にちょっと上目遣いになる
いいな、この感じ
威「凪斗、入らないの?」
「ん?あーごめん、入るよ」
Aを席に連れて行って周りを見渡す
いつもより遅く来たと思ったけどあんまり来てないんだな
今のところ九頭龍君と辺古山さん
人が少なくてよかった、Aが怯えなくて済む
「おはよう、九頭龍君、辺古山さん」
辺「おはよう」
九「おう、誰だ?そいつ」
九頭龍君は悪い子じゃないけどAとは相性悪そう…
Aは二人を見てたけど九頭龍君と目線が合うと
即座に目線を逸らし机に突っ伏した
怯えるAの頭を撫でた
さっきはとても熱かったのに今はすっかり常温だ
「九頭龍君、あまりAをいじめないでね」
九「はぁ!?なにもしてねぇだろうが!」
辺「坊ちゃん、彼はきっと悪気はありません」
九頭龍君は少しからかうとすぐ怒るから面白いんだよね
辺古山さんはすっかり呆れている
威『凪斗…』
「ん?どうしたの?」
話題から外れたと気付いたAは顔を上げた
威「保健室どこ?」
うーん、先生には会って欲しかったけど限界かな
ここに来ただけでも偉いよね
窓の外をチラッと見ると走ってくる生徒が何人かいた
「この校舎の1階にあるけど…この時間は他の人達が来ると思うから、今外に出るのはやめといた方がいいんじゃない?」
Aはショックを受けた顔をしてまた机に突っ伏した
ボクの隣がAの席でよかった
そうじゃなきゃ教室に来てもすぐに保健室に行ったと思う
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作者名:コヒ・ミルキー | 作成日時:2023年10月21日 3時