もしも…なお話7

中学時代2【黒子】 ページ2

「それって…」
「はい、そうすれば
優しいAさんは僕等に情が湧き
きっと卒業した後も来るのでは、との考えだったみたいです」

「何それ…そこまでする？
周りから囲むやり方なのね
なんでそこまでする必要があるの？」

カントクが口元に手を当て悔しそうな顔をする
他の先輩達も腑に落ちない顔をしていた

「帝光の目標は絶対勝利です
勝つ為ならどんな努力も方法もやってきました
そこにAさんの存在がハマったんだと思います…

でも、Aさんはその目標が嫌いだと
しっかり監督に言っていましたけどね」

「ふふっ、あの子、意外に毒舌な所もあるのよね
自分の意見もはっきり言うし」

「でも、部員の間では主将をはじめ
『Aさんに必要以上な迷惑をかけない』という
ルールを作っていました」

今考えると、守れていたかは微妙な所ですけど…
と、思いつつそれは言わずに

「だからAさんが時折部活に顔を出すと
場の雰囲気が変わるんです」

「で？それでAの能力に皆が気付いたって事？」

その言葉に首を左右に振る

「いいえ、その事に気づいたのは
Aさんが僕等から離れた後でした」

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