ナルシスト.26 ページ27
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「ほらよ」
『…あ、どうも』
公園のベンチに座って、土方先輩からコーラをもらう。
プシュ、と空気の漏れるような音がしたのを確認して、少し上を向いて液体を喉に流し込んだ。
『で、話って?』
「簡単なことだ
俺はお前に学校から出ていってほしいと思ってる」
『……随分嫌われちゃってますね、』
何かしたかなぁ。
そう言ってオレンジと青色が混ざったような空を仰ぐ。
「気にくわねぇんだよ
………女は嫌ェだ」
『…………それはまた、』
女に一発ハメられたらとか?
冗談交じりにそう聞いてみると、
「そんなとこだな」と意外にも彼は悲しそうな笑みを混じらせながら低い声で呟いた。
『出ていきませんよ
私も私で、それなりに事情があるんです』
「その事情ってのはなんだ」
『………土方先輩がもう少し私のことを好きになってくれたら
話すかも知れませんね
だから、もし私がアンタに話そうと思った時、
アンタも私に色々話してください』
「…先輩に対しての態度か、」
『へへ、すいません』
土方先輩は柔らかく笑って、私の頭をコンと小突くと立ち上がり、
私に手を差し伸べた。
「見た目は男でも、こんな暗かったら危ねぇだろ
送ってやる」
『はは、やっさしー』
「…どーだかな、」
全てを話し終えた頃にはもうすっかり暗くなっていて。
ふたりで歩く道を、数本の街頭と夜空に薄らと浮かぶ月だけが照らしていた。
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望月おもち(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます(*^▽^)/いつも楽しみに見ております。 (2017年4月28日 17時) (レス) id: 0f176bae4b (このIDを非表示/違反報告)
ポアン(プロフ) - 逆ハー最高♪もうドキドキしすぎて溶けそう… 沖田、神威、高杉…もう好き!! 更新待ってます!! (2017年4月27日 21時) (携帯から) (レス) id: f32000bf63 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅら - 更新待ってるアルヨ! (2017年4月27日 21時) (レス) id: 83251445bc (このIDを非表示/違反報告)
森のくまさん - プール!!沖田くんとプール!!もう、死んじゃいそう…更新、頑張って下さい! (2017年4月27日 20時) (レス) id: e6afc3116a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - なるさん» はい。( 'ω') (2017年4月27日 16時) (レス) id: 2eeae73191 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちなり | 作成日時:2017年4月23日 0時