紅一点ですが優しくされる気配がありません 2

ポキっと ページ23

「.............だめ。」





フラフラしながら音楽を止めに行く。





もう何度繰り返しただろう。






繰り返す度に悪くなっていく自分のダンスのザマを、鏡越しに見て5時間。






「.............もっかい......、」





新曲のダンスの練習が始まったのが1週間前。



この一週間進歩もなければ成長もない。




(これがスランプってやつかな.......)






フラフラになって床に倒れて天井を見る。


こんなに踊れなくなったのは初めてかもしれない。




「あー、どうするんだっけこういう時。」


気分転換？
馬鹿じゃないのそんな暇ないし。


誰かに相談してみる？

.............私ってそういうキャラじゃないんだよね。

皆今の時期ビリピリしてるし。
自分のことで精一杯でしょ。






「.......よし、やろ。」






重たいからだを起こして、もう一度曲を流しに行く。


鏡の自分と向き合って、1から10まで、色んなことを頭の中で整理して、そして体を動かしてー･･･。




(.......なんだこれ。)







始まって数秒でダンスをやめた。

もう多分これ以上やってもなんの意味もない。





(帰ろ、疲れた。また明日。)






こういう所があるから成長しないのか。私って。

だってきつい。動かない体で練習したって、ねぇ？




荷物をまとめて時計を見ると、時計の針はもう夜中の2時半を指していた。





「やーべ、ニキビ増える〜。」







無理やり脳天気なことを言ってるのを自分で自覚しながら、宿舎へと足を運んだ。

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