紅一点ですが優しくされる気配がありません 2

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真っ暗な宿舎の廊下を進んでいく。




リビングのドアをそっと開けると、ジニオッパが何かを読んでいた。





「.......ただいま。」





JN「.......おかえり、お前こんな時間まで何してたの。」





説教のような口調で言われるとは思ってなかったので、少し驚いてジニオッパを見る。




「.....別に、練習してただけだよ。」



JN「でももう3時になろうとしてるんだぞ。」






(.......なにこれ、なんで私怒られてんの。)




別に遊んでなんかないし。練習して何が悪いの。私はみんなのために、上手くなろうと必死にやってるのに。




「オッパには関係ないよ。」




JN「関係あるだろ。練習することは否定しないけど、お前は女の子なんだから、」



(.....あぁ、それ言っちゃうんだ。)




私が女だから、皆より控えめで、甘いことしか許されないのか。

それでこのグループに残れると本当に思ってるのか。

私が、私が女であることに、どれほど嫌悪感を抱いたか知らないくせに。





「私がいつもヘラヘラ笑ってここにいると思ってんの？」



JN「.......俺はそういうことを言ってるんじゃなくて、」



「そういうことだよ。私気づいてるんだから。ちょっときつい事とか、精神的にくることとか、私にさせたことないでしょ？」


JN「.......。」



「オッパ達は頭のどこかで、私を女だからって言う括りで甘く見て、壊れないようにっていつも気を使ってくれてるもんね。」







JN「.......多少はそうかもしれないよ。どんなにお前が、同じ扱いをしてくれって頼んでも、多分俺らは出来ないと思うよ。」




「知ってる、だってみんな優しいもんね。だから、自分で、みんなと同じ土俵に立つ努力をしてるの。オッパ達が私を線の外側に出させようとしないなら、私が自分で外側にいかなきゃ行けないから。」




「じゃないと、私はここにいられないから。」









久しぶりに、本音を言ったと思う。


最近は、周りに認められ始めて、少し決意が弱まってたのかもしれない。



それがダンスに出ちゃったのか。






「あのね、ジンオッパ。もし一番最初に消えるなら、それは女の私だよ。私はそういう立場にいるから、今は笑ってられないの。だから、私のことに口出ししないで。」





黙って私の話を聞いていたジニオッパに自嘲を見せて、リビングから逃げるように部屋へ向かった。







(.....あぁ、そういえばジニオッパ、私の事待っててくれたんだよね。)





お礼、言わなかったなぁ私。



そんなことを思っても、リビングへと戻る気にはなれなかった。

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