潜入 ページ9
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夜が明けた。
空鶴の詠唱と共に皆が霊力を込めて空へと打ち上げられた。勢いよく空へと球体は飛んでいき、ガンジュの継の口上に合わせて霊力を出す。が、黒崎の霊力が圧倒的に多い。散々文句を言われて半泣き状態の黒崎と読み間違えてキレるガンジュに夜一とAは呆れている。
そんな二人の言い争いを見ているうちに瀞霊廷が見えてきては夜一の合図と共に霊力を込めると障壁を破って中に入った。障壁にぶつかることで砲弾は溶けて5つに別れる。
「あーらら。別れた」
一人となったAは落下先に集まる隊士たちを屋根の上から眺める。どうすっかな。何処かでサボるのもありだけど、夜一さんにバレた時が怖いしな。悩んでいると、隊士にバレて人目につかれる。
「取り敢えず隠れるか」
Aは瞬歩を使ってその場から消え去った。
▼▽▼
瀞霊廷侵入をして数日が経つ。
Aは黒崎の霊圧を追って懺罪宮へと向かうと、既に黒崎たちはなかった。
「一足遅かったかー」
懺罪宮の上から血塗れで倒れているガンジュの他に死神たちの姿がある。懐かしい人がいんな、と眺めていると背後に何者かが回った。
「貴様、何者だ」
首元に刃が当てられる。振り返らずともAは誰かが分かっていた。
「さっき夜一さんに瞬歩で負けた白哉くんじゃん」
元気ぃ?とAはフードを外して顔を見せる。白哉は驚いた顔でAを見つめた。
「……此処で何してる」
「里帰り。……てな訳で、
言うと、白哉は素直に斬魄刀を下ろした。Aは立ち上がって白哉を見上げる。あれから何年経ったか。身長が伸びているな。
「白哉、白哉。私お腹空いたんだけど」
「知らぬ」
「可愛い子の願いは聞けないってか?ハァー、嫌な奴。浮竹さんのとこ行こ」
Aは下にいる浮竹の元へ向かおうとしたら白哉に腕を掴まれた。なに?とAは顔を上げる。
「何処に行く」
「浮竹さんのとこって言ったじゃん。話聞いてた?」
「……浮竹のとこに行くな」
掴んだ腕は強く離そうとしない。
何だ何だ。これはツンデレってやつか、もしや。
ほうほうとAは関心深く白哉を見つめる。
「怒られても知らねぇぞ」
そう言うと、白哉はコクリと頷いた。
「甘いもん食べたいんだけど」
「用意しよう」
「さすが朽木家当主様」
白哉が消えたあと、Aは追うようにその場から消え去った。
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にゃんごろ - めちゃめちゃおもしろいです!!続き待ってます!! (2023年1月8日 10時) (レス) @page35 id: cd4183e0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミワ | 作成日時:2022年11月30日 2時