【BLEACH】自称"キュートアニオタ駄菓子屋店員" (ページ6)

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「Aサン朝ですよ」

起きると目の前に浦原の顔が近くにある。勢いよくAは拳を浦原に向けるが、いとも簡単に受け止められては蓑虫みたいに布団で丸めてから小脇に抱えて地下へと向かった。

地下に着くと、朽木ルキアの救出に向かう黒崎たちがいた。浦原に穿界門の説明を受けてから、一人助っ人来るから待ってくれと言われていて待っていたのだ。

「ハァイ、皆さんお待たせしました。強力な助っ人ッス」

小脇に抱えられたAの般若のような形相。黒崎たちは思わずぶるりと肩を震わせた。そんなAに気にせず浦原は下ろせばAの右脚が大きく回って浦原の頬へ当たる。

「痛い！」
「うるせえ騒ぐな」

相当苛ついているのだろう。Aの怒りがピリピリと肌で感じる。警戒する黒崎たちに浦原は「皆さんに自己紹介ッスよ」と場を和ませようとした。

「九条A。高校1年。そこのバカに拉致られた以上」

淡白な自己紹介だ。黒崎たちも「お、おう」としか返せない。Aの存在はクラスが同じだから知っているが、クラスでは物静かな印象が大きかった。だから今こうして顔に似合わずの男らしい性格さに口が開くばかり。

「あっ、Aさん。今日は変装してくださいね」
「変装って、」

トンっとAの額に杖を突くと身体が二つに別れた。先程の黒崎と同じ状態だ。だらんとしているAと黒崎の身体に皆が楽しそうに遊んでいる。

「尸魂界に着いたからコレで顔隠して下さいよ。あと、霊圧も解放しちゃ駄目ッス」

着物の上から白のフード付のパーカーを被せられ、首元のチョーカーに浦原は触れた。

「全解放は禁止。するなら、夜一さんの許可貰ってからッス」
「それなく解放したらどうなんの」
「その首が刎ねるだけッスね」
「物騒じゃねえか」

怖えなと首元のチョーカーを見ていると、するりと浦原はAの頬を両手に挟む。

「生きて帰って来るんスよ」

いつもと違った真剣な瞳。Aは小さく笑いながら「誰に言ってんだよ」と浦原の額を突いた。

「早めの里帰りだ。楽しませてもらうわ」

ひらりと手を振って黒崎の後を追って尸魂界へと向かった。