悪夢の始まり ページ36
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浦原喜助の隊長就任から九年後。
九条家は四楓院家に並ぶぐらい力を付け、そしてAは七席から四席まで上がった。
「A。山本総隊長からお前に命が下った」
「何の命でしょうか、お兄様」
「つい最近流魂街で起こっている変死事件の調査だ」
九条家にある書斎室。Aは旭に呼ばれて向かうと、任務を言い渡された。
「あと、浦原喜助の動向も探れ」
「……それは四十六室からですか?」
「あぁ」
総隊長とは別に中央四十六室からの指令も伝えられる為、兄でもあり、上司に当たる旭を通して伝えられる事が大半だ。言い渡された任務にAは承諾する様に頭を下げ、その場から立ち去る。気分はあまり良くない。
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流魂街の変死事件を調査して3日が経つ。
変死事件の原因は未だに判明もせず、浦原の動向も詳しく掴むことは出来なかった。困った。この頃、旭は祖父母らに愚痴愚痴と家の事について言われて機嫌が悪い。怒りの矛先はAに向けられるので、そろそろ良い報告して旭の機嫌を取りたい。今日も変死事件の起きた現場に向かおうとすると、山本総隊長に呼び出された。
「A。今から鳳橋楼十郎、平子真子、愛川羅武、矢胴丸リサ、有昭田鉢弦の五名と共に流魂消失案件の始末特務部隊に入り、調査に行ってもらう」
どうやら変死事件に調査に出ていた九番隊の霊圧が消失したらしい。話が大きくなってきた。Aは山本総隊長の指示に従い、流魂消失案件の始末特務部隊として現場に向かった。
「えっ?」
現場に着くと、始末特務部隊に選ばれた隊長たちが倒れていた。声を掛けに行くも皆の顔には虚と似た仮面を被っている。
「な、にこれ」
驚いてるのも束の間。背後に気配を感じて斬魄刀を抜くも塞がれた。
「一足遅かったね」
チクリと首筋に痛みを感じたと同時に意識が途切れた。
▼▽▼
目が覚めた。
起きると、手足には霊圧を封じる枷を付けられていた。周りを見る限り此処は九条家にある地下牢だろう。如何して私がここに居るんだと思い出していると足音が聞こえた。
「目を覚ましたか」
「……お兄様これは」
「始末特務部隊が浦原喜助の実験に巻き込まれて虚とされた。四十六室はお前たちを虚として処理するように言い渡したが、まだ理性のあるお前は使えると思ってな、私がお前だけは生かすように頼んだ」
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にゃんごろ - めちゃめちゃおもしろいです!!続き待ってます!! (2023年1月8日 10時) (レス) @page35 id: cd4183e0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミワ | 作成日時:2022年11月30日 2時