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両手に花。ではなく、両手に隊長。逃げないようにと右手には浮竹、左手は京楽に握られてAは一番隊隊舎に向かっていた。


「昔はこうして瀞霊廷の中を歩いたのが懐かしいな!」
「あの時Aちゃんはヤンチャでよく山じいに怒られたなぁ」
「Aから元柳斎先生の大切にしてた盆栽壊したって聞いた時はヒヤヒヤしたよ」


Aを挟んで二人は楽しく話を弾ませる。聞いてるAは「やめてくれ……」と弱気な声だ。


「てか、手離して」
「駄目だよ。離したらAちゃん逃げるでしょ」
「逃げないから。この歳で手繋がれるの恥ずかしい……」
「俺らからしたらまだAは子どもだよ。なぁ、京楽?」
「そうだねぇ」


何歳アンタ等と歳離れてると思ってるんだよ。
Aがツッコもうとしたが諦めた。言ったところでこの二人には流される。
はぁ、と小さく溜息を吐き出すと、「九条!」と前から黒崎がAの名を呼ぶ。


「なに黒崎くん」
「これ、お前のだろ」


黒崎の手にはAの斬魄刀が持たれていた。あれ、とAは自分の腰を見ると自分の斬魄刀がない。


「人の斬魄刀奪うの良くねぇぞ」
「ちげぇよ!お前、十一番隊舎に忘れてただろ」
「……あぁ、そういやそうだった」


忘れてたとAは言う。


「忘れてた、の前にA。一護くんにお礼を言いなさい」
「ありがとう黒崎くん」


Aペコリと頭を下げる。斬魄刀を受け取ろうと「手、離して」と言うものも「逃げるから駄目」の一言。「信用ねぇな!?」とぎゃいぎゃい喚くAに黒崎が不思議そうな顔で訊ねた。


「九条。お前って何者なんだ?」


黒崎の言葉にAは喚くのを止めた。京楽が言ってなかったの?という目でAを見る。それに気付いたAはコクコクと頷いてから答えた。


「私、護廷十三隊一番隊にいたの」
「いっ、一番隊!?」
「今は違う隊だけどね」
「今はどこの、」


訊く前にAが人差し指で黒崎の唇に触れて訊けなかった。


「ナイショ」


手を振り解かれた浮竹と京楽は目を大きくする。艷やかな笑みを浮かべるAに黒崎は顔を赤く染めた。そんな黒崎から斬魄刀を取って、Aは瞬歩で直ぐ様屋根の上へと逃げる。


「コラッ!A!」
「浮竹さんごめんなさーい。ジジイの長話に付き合うほど今の私は暇じゃないって伝えててー」


じゃあ、とAはその場から消えた。

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設定タグ:BLEACH , 朽木白哉 , 浦原喜助   
作品ジャンル:アニメ
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にゃんごろ - めちゃめちゃおもしろいです!!続き待ってます!! (2023年1月8日 10時) (レス) @page35 id: cd4183e0a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミワ | 作成日時:2022年11月30日 2時

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