【黒バス】俺とさつきの幼馴染みは二学期に入るとイタズラが落ち着いた代わりに恋患いになったらしい。【中学生編】

過去編　第五十三話 ページ8

…*♪*…時は戻って事情聴集…*♪*…








悠くんの家は母子家庭。









離婚とかじゃなくてお父さんが三歳の時に急病で亡くなったらしい。









だからか悠くんはお母さんの体調とか何から何まで気をとても遣っている。









ぶっちゃければマザコン気質←









「母さんが数日前に倒れたんだ。」









「えっ…！？里奈さんが！？」









「疲れによるものらしいが、このままだと過労死するかもしれないと言われてな。」









「でも……だって！！元気だったじゃん！！」









「元気だったよ。母さんは元気に振る舞っていたんだ。
次倒れたら覚悟しとくようにと言われ…今もまだ集中治療室だ。」









そういって遠くを見ながら語る悠くん。









外だから、風が吹くと揺れる悠くんの艶のある黒髪がより儚げで綺麗な悲しさを表現する。








「僕は…唯一の家族を失うのだろうか……？」









悠くんの頬を濡らす一滴の涙が垂れる。









独りになると言う怖さと家族を失う悲しさなんて私にはわからないけど。









イトコだから、身内だから、悠くんを支えてあげることは出来る。









「悠くんは見栄っ張りだからね。
いつも通り振る舞って心配かけないよう誰にも相談してなかったんでしょ。」









「…………。」









髪の毛で表情は見えないけど、悲しさは伝わってくる。









「私の前で見栄なんて張らないでよ。私らイトコじゃん。
今なら誰も居ないから泣いて良いんだよ。」








「……………っ…。」









そういって抱き付いてきた悠くん。









首筋が涙で濡れてくのが分かる。









「……………っ…。」









決して声に出さないのが悠くんらしいよね。









ただ、なるべく早く離れてね。←









誤解されちゃうから。←









「……僕もナメられたものだな。
年下のAに慰められるなんて。」









「悠くん……………突き放すよ？」←









「まぁ助かったよ。お陰でスッキリした。
くれぐれも遅刻はしないようにな。」









そういって戻っていく悠くん。








憎まれ口しか叩かないけど、感謝の気持ちは込められてたと思うよ。うん。









……込めてたよね！？！？←

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