過去編 第七十三話 ページ27
ガルルル、とでも言いそうな雰囲気で金髪を睨んでいるとあまり怒るな と征君の声が聞こえる。
でも!と反論しようとすると悠くんが側にやって来て
「A、そろそろドリンク等を運ばなくていいのか?」
「あああ!!!」
給水所に忘れてた!と叫ぶ。
その様子を金髪はうわぁ、と見つめてくる。
やんのかコラ。
「…悠くん、手伝って!!」
「ちょっ。」
金髪を思い切り睨んでから悠くんの手を引っ張り体育館を出る。
イライラを募らせながら歩くせいで悠くんの手を掴む力は強くなる。
まぁ元々そこまで力も無いから痛くないだろう!
「何をそこまで怒っているんだ?」
「えっ!?」
「珍しいじゃないか、Aがそんなに怒るなんて。」
「あー…それはだって…。」
「?」
「私はバカにされてもいいんだよ、好きでやってるから。
でも、私だけじゃなくて頑張って一軍や二軍に上がろうと、日々練習している三軍や二軍の人達の努力をもバカにしている金髪頭のあの顔が、雰囲気が単純にムカついた。」
思い出すとまたムカムカしてきた私はドリンクをうおおおおっ!と言う声と共に思いきりシャカシャカして大量生産する。
その作ったドリンク半分以上持ってくれる悠くんはナチュラルジェントルマン。
本当のイケメンはこういう男だぞ金髪!
悠くんは言葉遣いや態度こそ、心開いた相手に少し冷たくなりがち(むしろ冷凍庫)だけど行動はめちゃくちゃ優しいし、さり気なくジェントルマンだし
言い方キツいだけで優しいんだからな!!(2回目)
「あの金髪がイケメン?ははは、ないない。」
「A、そんなに振ると混ざる通り越してドリンク泡立つぞ。もう完成してる奴だからな、それ。」
「悠くんや征くんの方がイケメンだし。
あんなヤツにキャーキャー言うとか周りの女子は見る目がないんだよ。」
「?一体どうしたんだ?」
無性に腹が立つしムカつく。
テッちゃんをバカにされたことも、三軍の人たちを馬鹿にされたのも。
パァン、とドリンクを掌に叩き付ける。
「あぁ!やっぱり嫌いなんだ!!」
「はぁ?」
「私、あの金髪すっごい嫌い!!」
いい笑顔で言い放つと、一瞬呆けた後に ははっ と笑う悠くん。
「Aらしい。」
「怒ってスッキリしたから部活戻る!!」
ドリンクを運んでくれ、俺も戻るよ、と手を振り一軍の体育館に戻る悠くんの後ろ姿を見送る。
まさかこの後すぐ金髪と、練習試合への同行という事でご対面するとは思わなかった。
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桜餅 - ここからあの夫婦が生まれるのか〜や、青峰や黒子、悠くんにも報われてほしい!と思いながら、楽しく読ませていただいております。これからもがんばってください! (2017年11月10日 17時) (レス) id: 267b829f9d (このIDを非表示/違反報告)
赤司こりん(プロフ) - 最初はやっぱり赤司だなーとか思ってたけど、途中から悠くんも好きになっちゃったかも!優しいよ!悠くん! (2017年7月26日 22時) (レス) id: 58d37ff4e1 (このIDを非表示/違反報告)
如月茉莉(マリー(プロフ) - 地獄の鬼ごっこで盛大に吹きましたww紙を開くと同時にスタートの体制が整う夢主氏w折れない点では最強ですねw (2016年1月5日 19時) (レス) id: d1eee0d328 (このIDを非表示/違反報告)
征彰十 - すごく面白いですね!赤司のイタズラしたあとの反応が楽しみで仕方ないですw w 最新がんばってください! (2015年6月24日 23時) (レス) id: 8fea7687c0 (このIDを非表示/違反報告)
°*リンゴ*° - 個人的な意見なので無視してくださっても全然構わないんですが…テスト前にキセキと黒子と桃井ちゃんと夢主で赤司くんの家で勉強会をしていて、赤司くんがなんらかの理由で部屋を出ていったときにみんなで赤司くんにイタズラを仕掛ける様子が見たいなって思いました…!! (2015年3月24日 20時) (レス) id: 14775187b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2015年2月26日 23時