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眠ったままで ページ21
(太輔side)
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Aと入れ替わりで病室に入ると、北山が眠いっていた。
俺が最後に会ったのは10年前の、北山が九州へ行く前日だった。
『お前…何でこんなことになってんだよ…っ、』
眠ったままの北山に、俺はやるせない気持ちで訴えた。
『フェアじゃねぇし…記憶なくすなんて…Aがお前のことどんな気持ちで待ってたかわかってんのかよ、』
Aは、北山と連絡が取れなくなってから、やつれたし、随分痩せた。
自分は嫌われたのか、新しい女が出来たのか、もう必要ないのか、そんなことばかり呟いて、1年もすれば名前すら口にしなくなった。
Aなりに忘れようとしているのが分かった。
俺はずっと横で彼女を見てきたから分かる。
あいつは昔も今も、変わらず北山をおもっている。
だから、俺はただ見ているだけだった。
なのに、車椅子で現れるなんて…。
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作者名：ユナ | 作成日時：2019年12月10日 10時
