密室、暗闇、二人きり。【そ.ら.る】 (ページ15)

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「んっ……！」

少しばかり伸びをして、首を左右にねじる。
ボキッと良い音が鳴った。

座りっぱなしもちょっと疲れるみたいだ。

「すみませんそらるさん、ちょっと寝転がってもいいですか？」

「え…膝枕？」

した方がいい？と謎の気遣いを見せるそらるさんに「お気持ちだけ受け取っときます」と遠慮しておく。

あんたみたいなイケメンの膝枕なんて、幸せとか通り越して綺麗な川見えてしまうわ。見えてはいけない方の綺麗な川が。

あと友達に殺されそう。彼女らはガチ勢。

私はそのまま後ろに倒れて仰向けに寝転がった。

ここの部屋ソファはベッドのように奥行きがあって、広い。

ぽすん、と音を立てて私の身体は沈む。

「…そらるさん、暇ですよね…なんか歌います？」

「…アカペラで？」

「アカペラが嫌なら私が音響やりますけど」

「できるの？？」

「ﾌﾞﾝﾂｸﾌﾞｯﾂｰｰ」

「何そのビートボックスもどき」

クスリと笑って、そらるさんも私の隣に倒れ込んできた。

仰向けの状態で腕を伸ばす。その手にはスマホが握られていて、そのスマホには私とそらるさんが写っている。

え？何してんの？と目を瞬かせた時、そらるさんの棒読みの声が聞こえた。

「はいチーズ」

「えっ」

パシャッ

「えっそういうの先に言いません？！」

「先に言ったらAさん嫌だって言うかもしれないじゃん」

「そうですね？！？！」

不意打ちでブサイク撮られてしまったのは嫌だったけど
「いえーいツーショットげっとー」と、嬉しいのか嬉しくないのかよく分からない声音で笑う彼を見てたら、

なんかどうでも良くなってしまう。