04 ページ4
「えっ!?きせりょと話したの!?」
『うるさい
もうちょっと落ち着いて話して』
朝の出来事を友人に話せば、すごい勢いで立ち上がり、大きな声でそんなことを聞いてくるものだから思わず顔をしかめた
おかげで視線は私たちに集まり、注目の的だ
「ごめんごめん
で、顔は?どうだった?」
『普通』
興味津々といった様子で私にも彼女は問いかけるも、私からの答えを聞けばムスッとした顔つきに変わった
「アンタが冷めてるのは知ってるけど、かのモデルのきせりょだよ?
アンタの美的判断基準どーなってんのよ」
ぶーぶーとふてくされて何気に私のことをけなしていく
『失礼ね
顔は悪くないかも知れないけど、性格がどんな人かわからないもの』
朝に実施した服装や装飾品の指導で引っかかった人物達の名前を、学校の名簿を比べながら眺めた
「あんなイケメンが性格悪いわけないじゃん!
Aにもいつか分かるって!」
『何事も決めつけは良くないわよ
私、これ赤司くんに渡してくるから席外すよ』
椅子を引いて立ち上がれば、羨む声が聞こえてくるが、そんなのお構い無しに2年の校舎へ足を進めた
黄瀬涼太
確かに顔はいいのかもしれないが何処と無くナルシストな部分があるようにも見えた
『ナルシストと関わりたくない…』
そんなことをぼーっと考えながら歩いていると誰かにぶつかった
『ッ……すいませんって…………緑間くん?』
「すいません、わたあめ先輩…」
ぶつかった反動で手に持っていた資料が手からこぼれ落ちる
ぶつかったことに謝罪の言葉を述べる緑間くんの口からは可愛らしい私とは似ても似つかないわたあめの名が出る
『ふふっ………案外可愛らしい名前で呼んでくれるのね』
そんな風に言えば、緑間くんは眼鏡をくいっと上げて、私に落ちた資料を渡してくれた
「しろあめなんて言われれば、わたあめしか思いつかなかったので…
じゃぁ、俺はこれで」
『えぇ、ありがとね』
ぺこりと挨拶をして立ち去る緑間くんに手を振った
決してわたあめという名字でもしろあめという名字でも無い
だが、何回も問われては答えの繰り返しをするのがめんどくさくなり、最初に呼ばれた名字を承諾するため、誰も正しい読み方をできる人間はいないだろう
いや、違う
一人いる
最近の素行の様子も悪い用で、幼なじみの私に注意を促すように言われた
そんなことを思い出していたら、赤司くんの教室まできていた
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灯火(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 原作の方も買いましたら出来るだけ書けるようにしますね! (2017年12月2日 21時) (レス) id: dea2918cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 八色キセキの小説も書いて欲しいです (2017年12月2日 21時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
灯火(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 無理です。もうすでに私の中で落ちは決定済みです (2017年11月12日 22時) (レス) id: dea2918cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 灰崎オチが良い (2017年11月12日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
灯火(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» あくまでも私の受けたイメージでの灰崎を書いていますので、ミリイさんの思われる灰崎とは違う点があると思いますがそこはご了承願います (2017年11月9日 21時) (レス) id: dea2918cb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:灯火 | 作成日時:2017年11月4日 11時