最低さん。【花宮真】 (ページ6)

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告白ページ6

．

「……まぁでも、」

凹んだ気持ちが顔に出ていたのか出ていなかったのか分からないが、喋りだした彼の横で緩んでいたであろう顔をシャキッとさせる。

そして一度止まった会話をまた始める彼に耳を傾けた。

「運命だと思うんなら、運命なんじゃねぇの？」

その言葉にマフラーから視線を変えて上を見ると、寒いのか照れくさいのか鼻を紅く染めてそっぽを向きながらも目線はこちらに向ける花宮。
絡み合った視線に何とも言えない感情が湧き上がる。

「ってことだからさ、付き合お」

瞬間、ドォンッと正面に花火が上がった。

次々と上がる花火に背を向けて私の目の前に立っている彼が、花火が舞い散るからなのか私の目にフィルターがかかっているせいなのか、キラキラと輝いて見える。

『……ガチ？』

「今のはえ、なに聞こえないとか言うところだろ」

『はっきり聞こえたわ馬鹿』

「…好き。返事は？」

振られる、なんて思っているのか少し不安げな表情を見せて返事を催促する彼。

花宮のそんな顔、初めて見た。

片想いなんて苦しいことばかりだけれど、こうして実った時に言葉で表せないほどとても嬉しい気持ちになる。

『私も好き。…こちらこそ、よろしく』

元彼氏と別れた後すぐに告白する貴方も、貴方を簡単に受け入れてしまう私も同じ、最低さん。