導きの七光り〜第1章〜

哀しみ ページ29

Aside









「…ない、ない。これも違うしなぁ」









日のくれた図書室の中

時間さえ忘れ夢中に過去のアカーツカ王国の報告書を探していた










「あー！もうこんなことなら資料まとめの執務ちゃんとやっとけば良かった！」









今まで、くだらないことだと思っていたけど少し後悔した

ほんの小さなことでも気づく事が出来たかもしれない、そう思った










「…ん？『ビーストテイマーの書』？」










はらりとめくったページには書物に関する資料が掲載されていた

もしかしたらここにもあるかもと思い、探し直してみると…









「あった！これだ」









真ん中には『BEAST』って書いてあるし









ちなみにこの世界のビーストテイマーは、トド松のような猛獣使いを指している

猛獣使いはその名の通り、猛獣を使って戦う

この国ではドラゴンや獣など様々な種族がいる

ビーストテイマーは魔法でそれらを召喚することが出来る









「しかもトド松の報告書も含まれてる」









パラパラとめくっていくと獣の種類のことや、属性についても書かれていた

こっちの方がより詳しく、図鑑なんか目じゃないくらいだった







「馬鹿な私でも分かりやすい…あ、なんか落とした」









本の中から出てきたのは一枚の書類

慌てて戻そうとしたけれど、ふと目に止まりピタリと硬直した









『アカーツカ王国 第一王子 アラン殺害事件』









・

過去→←姿

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す