導きの七光り〜第1章〜

条件 ページ12

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「…は？」

「言葉の通りよ。私を城の外に連れて行って」









黒フードの男は言っていることはわかるが、新たな疑問点がいくつか生まれた











「ただ単に盗むものが人か物かの違いでしょ？」


「いや、それやったら誘拐の罪も増えるんですけど？」


「いいじゃない、もう罪人だし」


「捕まったら牢獄だけじゃ済まされないのに、よくそんなにも恐ろしい単語がその口から出てくるね」









Aは相手の犠牲よりも自分のことしか考えてなかった

朝の優しい彼女は一体どこに行ってしまったのだろうか？










「お願い！どうしてもここから出たいの！」


「…理由」


「え？」


「なんでそんなに出たいの？ここの方が全然裕福に見えるのに」










そのことを出した途端、急にAの顔が暗くなった










「…私、本当はここの城の人とは一切血縁関係はないの」










黒いフードの男は黙って耳を傾けた










「だから、ここに関わる人はだーれもいなくて。寂しかった」









彼女から見える世界はまるで不思議の国から永遠に抜けられないアリスのようだった

穴から落ちてきたのにその出口さえ見つけられない










「知りたいの。今の外の世界は、どれくらい広いんだろうって…」










Aの目はどこか遠くを見つめるように、ぼんやりと街の景色に向けていた










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