お嬢といっしょ【ars/K.N】 (ページ4)

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けど、今はなるべくお嬢のそばにいたかったから

邪魔されつつも、勉強を頑張った。

今のままでは両親には反対されるのは目に見えていた。

いくら幼なじみのところだからって、組に入るのは訳が違う。

納得させられる理由は、今の俺には思いつかない。

『かずぅ』

「なんでしょうか」

『かずはいつまで、いっぱいべんきょうするの？』

「とりあえず高校受験が終わるまで、ですかねぇ」

今日もいつも通り、お嬢のお屋敷で勉強。

邪魔されるのも慣れて、その邪魔も息抜きにしようと思ってるから

寧ろありがたい。

『それいつおわる？あしたぁ？』

「そんな早く終わりません(笑)次の冬でしょうか。うまくいけば」

『えー！まてない！あそんで！』

俺の首にぎゅーっと細い腕を纏わせて

おんぶしてと背中にしがみついてくる。

「僕もお嬢と遊びたいですが、お嬢が大きくなっても、和と一緒にいたいと思っていただきたいので、遊べません」

『かずはAがなんさいになるまで、いっしょにいてくれる？』

「何歳になっても一緒にいますよ」

『おばあちゃんになっても？』

「そうしたいですが、お嬢がおばあちゃんになる頃には、僕はもうお空にいるかもしれませんね」

『てんごく？おおきいおばあちゃんがいるところ？』

「そうです。もしそうなったら、お空からお嬢を見てますよ」

『かずはいつもAのこと、みてくれて、やさしいね！』

「お嬢が大好きだからですよ」

『Aも！Aもかず、だーいすき！いっしょー』

「一緒ですね？」

『うれしい？』

「もちろん！」

『んっふふー』

俺の背中でおんぶはしてもらえないと分かったのか

ぴょんぴょん跳ねて、嬉しそうに顔を擦り付けてくる。

本日もみんなのお嬢は、可愛いです。

＊「お嬢！」

『はーい。なにぃ？』

＊「相談役とお医者さんに行く時間です。和君とバイバイです」

『えっ？なんのおいしゃさん？』

＊「今日は予防接種のお医者さんと聞いてます」

『にげよ！ちゅうしゃいやー！』

＊「あ、お嬢！ダメですよ！こら！」

離れて俺の周りをぐるぐる回って逃げてるけど

当たり前に若い衆から逃げられるわけもなく……。

＊「はい、捕まえた！お嬢ダメですよ。ご病気しないためです。お嬢がご病気になったらみんなが悲しいです」

『ちゅうしゃするの、きいてないもん』

ギャーギャー騒いで連れて行かれた(笑)

すっげー元気です。