ヒメユリコンペティション【ars/K.N&S.S】 (ページ7)

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けど、大人になった今は違う。

その下に隠れているもの、見えそうで見えないものを想像することで興奮する。

A先生は、そういう大人の色気を絶妙に放ってくる。

可愛いくせに。

多分胸も身長が低いのに、まぁまぁありそうだし

俺の好きな二の腕もプニプニっぽい。

どれも絶対に見えないし、見せてはくれないけど。

『出来ました。だいぶ違和感なく聞こえて、きちんと練習すれば出来ると思いますよ？』

翔「ありがとうございます！助かります！」

『私は今からでも大丈夫ですが……いつから始めるかは、櫻井先生にお任せします』

翔「あ、じゃあとりあえず今からお願いします！」

『分かりました。どうぞ？』

A先生に促されて、グランドピアノの前に座る。

その隣りにA先生が立って、楽譜を覗き込んできた。

『この和音を少し削ったのと、和音じゃなくしたのがここです。とりあえず音階は読めると思うので、ここまでゆっくりで良いので弾いてみましょう！』

好きな人に見られながら弾くピアノの緊張ったらない。

情けないことに鍵盤に置いた指が震えてしまう。

♩、♪♩、♫～

『うんうん、初見にしてはとっても上手ですね、習ってただけあって』

わー！褒められたよーぅ！(笑)

翔「そうですか？今のところ全部弾ける気が全くしないんですけど……(笑)」

『大丈夫ですよ、練習すれば。ご自宅にピアノはありますか？ないならここで好きなだけ練習していってください』

翔「良いんですか？」

『もちろん！』

柔らかな笑顔でそう言ってくれるA先生。

電子ピアノはあるが、なるべくA先生に手取り足取り教えて欲しいし

ここに来たいから、あえて言わないでおこう。

翔「A先生もいてくれます？」

『いますよー。忙しくなければ』

翔「じゃあ頑張ります！」

『いなくてもご友人のために頑張ってください(笑)』

翔「はい(笑)」

これで距離を一気に縮めるぜ！

そしてこれが弾けるようになる頃には……。

完璧！！

翔「あの、タダで教えてもらうだけじゃ申し訳ないので、良かったら時々で構いませんので、食事に付き合ってくれませんか？」

『そんな！お気になさらず。ちゃんと教えるわけじゃないのに』

両手を胸の前で振って、俺の誘いを断ってくる。