【旧多二福】何度でも、あなたを求める。【鈴屋什造】

じゅうなな ページ17

郡side

『じゅ〜じょ〜あいしとるぞ〜』


……完全に酔ってる。


鈴屋くんの首に腕を回し、大胆発言を繰り返すA。



什『僕も愛してるですよ〜。』



と、返事する鈴屋くん。



……何が気に入らないって、全てが気に入らない。





Aが酔ってるのも


鈴屋くんに抱きついてるのも





全部。






什『あ、A寝ちゃったです。』




郡『あぁ、もうこんな時間か。帰ろ。Aは私が送っていくから。』



幸い、Aがこうなってしまう事を見越して、お酒はあまり飲まなかった。


什『僕も行くです。』




郡『いいよ。大丈夫だから。』



什『Aを乗せて帰ってる途中で喰種がでたらどうするです？Aを下ろして戦ってもAが狙われるですよ？』


什『二人のほうがいいです！』



悔しいけど正論だ。



渋々、了承する。







……



くらい道にポツポツと白が映える。




什『ウイとくとーはAの事好きです？』


突然耳に飛び込んできた言葉に驚きを隠しきれず動揺する。



郡『……わっ、私は……』



什『僕はAのこと好きです。Aは、僕を嫌な目で見ません。』




楽しそうにニコニコとしゃべる。




……私は、こんなにも真っ直ぐに自分の気持ちを言えるだろうか。




もう既に口ごもってしまったから、それは無理だと確信しているけど






羨ましいんだ。





私にも、これだけ素直に気持ちを伝えることが出来たら、何か違っていたんじゃないかって。

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