身長が低くても！マフィアでも！！愛すべし！！！！【中原中也】

推し27 ページ30

朝起きたら




いつもは隣にいるAが





いなくなっていた








「は？」






トイレか？と思いトイレを見るがおらず

キッチンか？と思いキッチンを見てもおらず

仕事か？と思い玄関を見たら仕事用のブーツがそのままだった





「まじで、は？」





いなくなった


敵襲か？誘拐か？暗殺か？




裏社会で長年生きてきたため最悪の事態が刹那、脳内をよぎる



いや、あいつは異能力がある、しかも隣にいる訳だから俺を起こさずに誘拐は難しい



絶対に....ない、はず....





「くっそ....！！！」





部屋着のまま靴を足に引っ掛けて家のドアを蹴り飛ばすようにして開けて外へかけ出す






どこいった



もし、誘拐の場合だったらすぐさまアジトだ


暗殺の痕跡はないから死んではない....はずだが





自分でも驚くほど焦っている自分がいた



落ち着け、あいつはただの居候で


女だけど俺のことが大好きで、俺のためにマフィアにまで入って....





俺のために飯を作ってくれた







「.....A！！！！！」

「わっ！！びっくりした」

「....は？」

「え？」





堪えきれず名前を叫ぶと隣から聞きなれた声が聞こえた



「てめっ！！どこいってたんだ！！」

「どこって....ここら辺の地形を覚えるついでにランニング」

「はぁ？」

「だって私の運動神経皆無じゃん？マフィアってやっぱり体力仕事もあるからさぁ、鍛えとかなきゃって思いましてですねぇ」



へらりと笑ってそんなことをいう目の前の女





まじでこいつは....



「俺が....どんだけ......」

「中也ちゃんどうしたの？」

「なんでもねぇわ馬鹿野郎！！！」

「えぇ！！理不尽！！」

「うるせぇ！！急に居なくなってびっくりしただけだ！！」

「......まさか心配してくれたの？？」

「なっ！！！！わけねぇだろ！！」

「えぇえ！！！中也ちゃん嘘ついたでしょ」

「ついてねぇよ！！！」

「ついた！！」

「ついてねぇ！！」

「ついたでしょ！！顔にかいてる」

「くっ....」




本当に走っていたのだろうか、顎から汗が滴るA




「次から一言いって出ろよ」

「ふふっ、うん」

「笑うんじゃねぇ」



存在を確かめるように恐る恐る抱きしめるとAは少し照れたように笑って返事をした





◇




「どんだけ暴れたの」

「暴れてねぇよ！！ちょっと....焦っただけだ...」

「....中也ちゃん大好き」

「なんだよ急に」





悲惨な家の中を見て俺たちは笑った

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