第7話 ページ8
屋敷から出ると外の世界へ門までの道筋を残して人が溢れかえっていた。
あとまだ30分近くもあるはずなのにみんなせっかちな...。
「嘲笑いに来たのか、皮肉りに来たのか。」
本当に壁の中といえど調査兵団に属していたら壁の外とさほど変わらないほど地獄だろう。
そう思ってるうちに団長であるエルヴィンさんを先頭にして深緑のマントを巻き付け自由の翼の紋章を輝かせながら馬に乗る調査兵団の列が見えてきた。
「みろ!
調査兵団の主力戦闘部隊だ!」
「エルヴィン団長!!
巨人共を蹴散らしてきてくださーい!」
呑気なことをいう。
「人類最強のリヴァイ兵長だぞ!
1人で旅団一個分の戦力を持つってよ!」
横からそんな声が聞こえてきた。
そこにはまきを担ぎ輝きに充ちた目で兵団の列を見つめる2人の少女と少年がいた
いつの時代でも子供は好奇心が強くいつでも無垢だ。
私も昔はそうだったように。
わたしは静かに手を高くまっすぐ上げ、エルヴィンさんをみた。
エルヴィンさんが気づいたことろでお互い頷きあう。
「前進せよ!!!!!!!」
何回とも聞きなれたキース団長の壁外調査開始の合図を耳にし、走り去ってゆく翼の集団を見つめた。
ドサッ
横で何かが倒れる音がした。
先程の少年が殴られていた、正確には大人に殴り掛かり殴られたのだ。
「この糞ガキ!!」
怒りが収まらなかったのであろう男性が再度殴ろうとして振り上げた拳を止めた。
パシッという軽い音が周りに響いた。
その瞬間隣に立っていた少女が倒れた少年の服をつかみこちらに向かって軽く礼をして走っていった。
この時はまだ誰も
この後に襲ってくる地獄に気づかなかった。
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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2018年9月22日 9時