ネジ10つ ページ11
当然Aが1時間弱も放っておかれるはずはなく、割と早い段階でぎゃいぎゃいやっている2人を置き去りコナンに手を引かれていた。
「あのさ〜、あの2人に付き合ってたらキリがないよ。律儀に待たなくても良いんだからね？」
律儀に待っていたというより、ただぼーっとしていた。
そんな真実を知らないコナンはまあ、そういうとこが好きなんだけどな、と1人頬を染める。
つーか昴さん、落し物したとか絶対わざと、意図的に仕組んでるだろ。
無論わざとである。本人は認めないだろうが、沖矢昴とAの出会いは人工偶然だった。
「ところでこれは、どこに向かっているんでしょう」
「んー特にあては無いんだけど…そうだ、お姉さん怪盗キッドに興味ある？」
「カイトウキッド？」
「あれ、もしかして知らない？」
「いや…多分…知ってる怪盗キッドだと思いますけど…」
「怪盗キッドってそんな何人もいる？？」
逆に知らない怪盗キッドってなんだ。クールなのにこの人天然かよ。
コナンはもー！！！と1人胸きゅんに悶える。
クールより天然よりなにより何も考えていないだけなAは空を見上げた。
「…満月っていつです？」
何故今満月の話題になったのか。話が飛躍しすぎて全然分からない。分からないが可愛い。マイペースでとてもいいと思う。
「今日だよ。だから今日はキッドが現れ…え、お姉さん、予告状の暗号解いた……？」
そうだ、先日送られてきた予告状の暗号を解くと犯行日が満月の夜とあった。
お姉さんの可愛さに気を取られて一瞬結び付けられなかったが、キッドと満月と言えば本日の犯行。それを知ってるとなると…
しかし事実は予想以上。
「本人に誘われたので」
……え……さそ……え。
ほんの瞬き1つ分ほどの時間だが、コナンの頭では様々なことが浮かんで消えた。
「し…知り合いなの……」
「知り合いというか知られてるというか」
「誘われたって、いつ、どこで、なんて言われて？」
「数日前、家で、次の満月の夜とある場所に来てほしいと」
「っへーーー…？」
家！！？家だと！！！？
コナンは奥歯をギリリと噛み締める。
まさかキッドも狙っていたとは。クソ、先を越された。
「それで…？お姉さんはなんて？」
底冷えするような嫉妬が露見しないよう必死に包み隠した高音で尋ねる。
返答によってはアイツ許さねえ…。
もはや睨むようにAの顔を見る。
Aは言う。
「用事がなければ、と」
…あ、やっぱ俺この人大好きだ。
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Mito - すごくいい作品ですね 私はこの作品が大好きですよ (2021年3月28日 23時) (
レス) id: 121f4f7b22 (このIDを非表示/違反報告)
水落(プロフ) - コメントありがとうございます！色々読んで頂けているようで、ありがたい限りです！(まさかほろにがクラゲさんからコメントを頂けるとは思っておりませんでした、光栄です！こちらこそ応援してます！) (2019年12月6日 14時) (レス) id: 1398ffddc4 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - はちゃめちゃに名作でした…おかしいな、と思ったことをそのまま世界観にしてしまう発想が素敵･:*+.\(( °∀° ))/.:+連載中の他作品も読んでます、いつも細部の凝り方がすさまじいなと圧倒されます……これからも応援してますね！！ (2019年12月5日 18時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
水落(プロフ) - シンアさん» 最後まで応援ありがとうございました！これからもお楽しみいただける作品を作れるよう頑張ります！ (2019年4月22日 21時) (レス) id: 1398ffddc4 (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 完結おめでとうございます。お疲れ様でした…。また作品楽しみに待っています。 (2019年4月22日 17時) (レス) id: f6e4c29514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水落 | 作成日時：2018年11月3日 18時
