第四十七夜 ページ47
慣れ親しんだ手の感触。
軽く手首を動かせば、べろりんと心地のいい音が耳を通り抜ける。
−楽しい−
無意識に動き出す華奢な指たち。
思うがままに作り出された音は、誰も知らない彼女だけの物だ。
沖「上手いものだね。」
音もなく部屋に入って来た沖田を見て、数回目を瞬かせる。
ふと目に入った彼の後ろでは、土方は面倒な事になったとでも言う様な顔にしていた。
貴「今夜はどんなお仕事で…?沖田はんも来はって。」
いつも通りの微笑みを見せる夕霧に、あぁ…と渋い顔を見せる土方。
土「ここに来る時に総司に気付かれてな…それで、着いてくるつって聞かねぇんだよ。」
沖「土方さんだけ夕霧ちゃんに会うなんてずるいじゃないですかぁ。まさか、遊びに来てたんですか?」
土「仕事だっつってんだろ。こいつならこの辺で起きた事なら大抵分かるだろ。」
土方の言葉に対してまた、沖田がつんつんと意地悪く返してゆく。
段々と時代がうねりを上げてゆく中で、紅く染まるこの街は時が止まったかの様だ。
そして、微笑んだままの彼女が口を開いた。
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牡丹一華(プロフ) - ありがとうございます!中々進みませんが、頑張って作って行きたいと思っているので、よろしくお願いします! (2018年5月30日 19時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
結葉 - すごい楽しいです!続き、頑張ってください! (2018年5月19日 22時) (レス) id: e0601b0ff2 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹一華(プロフ) - コメントありがとうございます!出来るだけ早く、作りたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします! (2018年5月7日 0時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆 - わー―!!続きが気になります!応援してます。頑張ってください! (2018年5月6日 23時) (レス) id: 8bff64fcc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牡丹一華 | 作成日時:2018年4月30日 1時