【あんスタ】マッドサイエンティストは何を願う 【逆先夏目】

４３ 女神様 ページ46

とあるショタうさぎユニットのレッスンを仕方なく行い、仕方なく終えると、廊下に長い影が現れ、その影の形は私の心を踊らせた


「Aさん」

「日々樹さん…！何でしょうか！」

「突然ですがAさん、あなた、何か想い悩んでいますねぇ？」

「…！私の心理状態まで分かるだなんて、マジリスペクト！」

「それは勿論、いつもお世話になっていますからねぇ」

「いえいえ、そんな、私は毎日ただ日々樹さんを崇め、称えているだけです」

「どこかの新興宗教ですかね？」


それより、と話の区切りを日々樹さんが作ると長い三つ編みを耳にかけ、私に微笑みかける
そんな仕草も思わずドキリとするほど美しく、例えるならば女神だ


「恋のお相手は夏目くんと言ったところでしょうか」

「な、なつめ？あぁ魔法使いさんか……ん、なぜそれを…！？」

「夏目くんの目も、Aさんの目も変わったからです。お二人とも何処か思い悩んでいるような憂いな瞳をしています」

「まるで、お互いがお互いを諦めているような」

…驚嘆した
確かに自分自身、そんな甘い幻想を諦めていた

だって相手はアイドルで、それを愛す人が当然いるから、本気のファンに比べたら私の愛はきっと劣っている

「チャンスならいくらでもありますよ、自分の気持ちをさらけ出すのです」

「…さらけ出しました」

「おや、私の早とちりでしたか？」

「いえ、多分、聞こえなかったと思いますよ」


雨が降っていたから


「でも私、例え受け入れなれなくてもその人を見れるだけでお腹いっぱいなので、けど日々樹さんが応援するって言うなら、普通に幸せな道を追い求めてみても良いかもです」


頭に、私の手より一回り大きい手を置かれた
見上げれば日々樹さんが微笑んで頭を撫でてくれた


「きっと夏目くんは振り向いてくれますよ、神に誓って」

「神は日々樹さんなので」

「私はいつまでも貴方の神として居ますね。 夏目くんは今恐らく秘密の部屋で貴方を待っています、さぁ、行ってらっしゃい」

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