【あんスタ】私は貴方に告白してない＊番外編詰め【逆先夏目】

初デート２ ページ3

薄暗い空間にズラリと並ぶ椅子に座る

幸い映画を観ているときはあまり喋らなくて済むから楽だ

人はたくさんいる かなり有名な恋愛映画だからだ
当然キスシーンとかもあるのだろう
寝てしまおうか……



＊


「んっ、だめ、」

画面に映るのは教室で壁ドンされてキスされている主人公とそのお相手役の１人

(この主人公 モテてんだなぁ)

そんな呑気なことを考えながら 極力音を立てないようにコーラを飲む
が、飲むのが難しい

それは私の利き手を横にいるコイツが独占してしまっているからだ
いつまでこの手を握り続けるんだ


手を振りほどこうと思っても優しく握り返される
横を見ると 琥珀色の目を細めてニヤリと笑う逆先
そしてその顔に私は不覚にもドキッとしてしまう


画面を見ると 有名な美男美女がイチャイチャと

破廉恥だ




＊


結局 ずっと握られているこの手の温度と不便さに集中出来ずあまり映画を観られなかった

『あっちぃ』

映画館から出ると予想外の日差しの強さに目がチカチカする
日差しに対して不満を言った途端 今まで 優しくだけど 逃がさないとでも言うようにずっと握られていた手をほどかれた

『えっ、』

暖かみがなくなった違和感のある手に唖然していると


「もうちょっと手、繋ぎたかっタ？」

なんてニヤニヤした顔に聞かれる




『ズルいよ……』



私はその手を探して自分の手と再度絡めた

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