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*
「もー、じゃあどうすればええの？」
「話をするだけで良いんです！」
「何の話？」
訳が分からない、といった様子で顔を顰めて問うてきた坂田さん。私も即答することは出来なくて、そうだな、と首を捻る。
今までの経験とやらを使ってみるのなら、やはり質問か？えっと、今のところ坂田さんに聞きたいのは……
「先程私にぶつかった時、何から逃げていたんですか？」
「えっとね、面倒臭いお客様から。昨晩終わってさよなしたんに、ずーっとくっついて離れんかったからもー兎に角面倒臭くて。それで妖のように綺麗に消えていくような台詞てきとーに言って物陰に隠れたら、なんかその客血相を変えて俺の事探し出して。で見つかりかけて逃げてた」
「……に、人気であるのも大変なんですね……」
坂田さんは何も言わずににこりと笑った。余程今までが大変だったのだろう。その重荷を自分なりに想像してみるも実感が湧かない。きっと一生分かることはないのだろう。
「他に何かある？」
「え？……えーと、なんで出会って早々私を押し倒したりなんてしたのかなー、とか……？」
「んー？前々から仲良くなれって小夜さんに言われとったのと、あともう一つ」
坂田さんは正座の姿勢を崩して胡座をかいて、その滑らかな指で華やかな着物の桜柄の輪郭をつつつとなぞっていく。
「おれ、吉原遊郭で花魁になりたいんよね。なのに間違えてここに来ちゃって。今更ここから居なくなるとか出来んし、じゃあ遊郭での訓練ついでにここに居よーって思ってんの。女の子に対する扱いとか絶賛学び中！」
ふむふむ、と頷きながらも坂田さんを見上げる。けれど、その将来の夢と、私を押し倒すことの二つが上手く結びつかない。
よく分からなくて彼の瞳をじっと見つめるも、もうお話は終わりのようでにこりと見つめ返してきた。どうやら答えてくれなさそうなので此方から問う。
「それで、私を押し倒すのは何故……？」
「えー？えっとねー、なんて言うんかなぁ。女の子の触られて嬉しい所は人それぞれやからとにかくいっぱいお相手したい、って言えばええんかな？まぁそんな感じ！」
坂田さんが悩みながら紡いだ言葉に妙に納得する。艶事関係だからろくでもない理由なのかと思ったが割と筋が通っているな。
よく考えてみれば、内容が非難されてしまうことであるだけで、極端な事を言ってしまえば学びと同じことだもんね。上面を見て否定してしまっていたな、それは改めよう、と心に刻んだ。
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
