聴こえますか【浦原喜助】 (ページ10)

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9.遭遇　ページ10

Aside

「……………」

これは、

斑目さんと、今までに感じたことのない……たぶん旅禍であろう者の霊圧だ

おそらく交戦中

十一番隊の隊士達は好戦的な人が多く、もちろん斑目さんもその一人だ

邪魔をすることは決して許されない

しかし、もし大怪我をしているのだとしたら助けに行かなければ

尸魂界が不安定な今、大切な戦力をこれ以上失う訳にはいかないのだ

隊長と乱菊さんは雛森副隊長のお見舞いに行っている

雛森副隊長が市丸隊長に斬りかかり、どうやら一悶着あったらしい

私だって自分の隊長がいきなり失踪し、心の整理がつかず無力さに嘆くしかできなかった

どうしても、雛森副隊長と自分を重ねてしまう

まぁ今はとりあえず、ふたりが戻る前にささっと駆けつけて戻ってこよう

瞬歩でその場に向かいながら、状況を確認する

…斑目さんの霊圧が小さくなった

これは…

「貴方が、旅禍？？」

「………っ誰だ！？」

到着してすぐにそう問いかける。

斑目さんは………良かった、息がある

よく見ると出血はほぼ止まっている

誰かが治療した？

誰が…？

まさか…

「十番隊三席のAです貴方は？」

「黒崎一護だ」

若い、人間

「斑目さんの治療をしてくれたこと、感謝します

……では」

治療されているといっても、ただの応急処置でしかない

四番隊へ速く連れて行かなければ

「！！俺を見逃してくれるのか…？」

「…確信のないことに対して行動を起こせないだけです」

藍染隊長の死にこの人間が関わっているとは思えない

今会ったばかりだが、黒崎一護は根からの善人だ

「しかも持ち場を離れている身ですので面倒事は避けたいのです」

交戦すれば持ち場を離れたことは確実にバレてしまう

戻ってからのお説教は避けたい

「では、失礼します」

黒崎side

小柄で綺麗な、青い組紐をしている女の死神が現れた

今、この人と戦って勝てるわけがない

どうする？

どうすればこの状況を切り抜けられる………っ？？

必死で考えた

しかし、そんな心配は杞憂に終わる

お礼と共に一角を抱えて何処かへ行ってしまった

　

青い組紐をしている死神

あぁ、浦原さんの伝言の相手だったのかもしれない