第86話 ページ41
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「……消えた」。そうポツリと呟く陣に、私は真顔で『生き返った』と言うと、「お前馬鹿か?」と言うような顔をされた。解せ……る。
でも仕方ないじゃーん、実際生き返ったんだからよぅ。
ベンチに座り、宙ぶらりんの足をプラプラと揺らす。陣はそれを見て「短足」と小さく言った。
聞 こ え て る ぞ !
『ばーか、陣のばーか。そっちが身長高すぎるだけだばかやろー…いだだだだだ』
ツンと突っぱねて口を尖らせながら言えば、陣は私のほっぺたを抓ってきた。痛い。
身長は低くてなんぼですよね、女の子は(迫真)
……はっ。
『っていうか!!私今頑張って人生初めての告白したんですけど!!一世一代よ?!それなのに何もないって……』
そうだ。
うん、ちょっとキャラメルポップコーンが美味しくて忘れてたけど、私そういや陣に好きって言ったんだった。
陣はフィっと顔を逸らし、「さっきのままだったら可愛げがあった」とかほざきはじめた為足を軽く蹴っておいた。馬鹿野郎、女の子になんつーこと言うんだ。
ジトッと睨んでいると、陣はまたこちらを向いて視線を合わせてきた。
思えば久しぶりの近距離。うぐ、と息が詰まりそうになる。……そういや陣って最推しだった。どうりでキラキラフィルターが付くわけだ。
『私もなんで陣がいいのか分かんなくなってきた……んむっ』
やっぱかっこいいからかな。推しだったから?うーん、なんか違う……と考えていると、陣は私の顎を掴んで
『んんむ…!?』
キスをしてきた。
え、いや、え、ま、えちょっと待って?え?うわー周り見てるから!!やめよ!!恥ずかしい。
混乱しつつ私はダンダンと陣の胸を叩いた。
陣は眉を寄せたものの、数秒後に唇を離した。……未だに分からない。謎。
『ま、まて……どういう事だ』
陣はぷれいぼーいだからもうこんなのは普通ってこと??それとも陣は「俺が好きならいいよな」って人間??ひぇー最低dッッッイタ!!すんません!!
そんな私の心の声は漏れていたらしく、陣にも聞こえてたらしい。顎を掴まれる。いたい。陣の後ろに禍々しい真っ黒なオーラが見えるよ……地雷踏んだ…??
私は若干涙目になっていると、陣は深く、そりゃあもう深いため息を吐いた。何だよ失礼だな(※貴方のせいです)
そして陣は、私の頭を軽く撫でこう言った。
「……一度しか言わねぇ、聞け」
「テメェは、俺のもんだ」
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ccndayo(プロフ) - はあ。。素敵すぎました。途中で涙が笑 (2021年1月6日 2時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
れいすみす(プロフ) - 幸せでした…尊いをありがとうございます…しゅき… (2020年5月26日 19時) (レス) id: 993cffbbce (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 涙がボロボロと、止まらなかったです…凄く良い作品、ありがとうございました…( ;∀;) (2020年5月4日 10時) (レス) id: c930be9ed1 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2020年2月12日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)mこれからも素敵なお話を作ってください!ジン様好き〜〜〜! (2019年11月23日 0時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あると | 作成日時:2019年6月25日 2時