第79話 ページ34
信じられない目線を向けると、安室さんは顔を赤くして俯いた。
私の手を握っているそれが少しだけ熱くなり、ほんとなんだ…と拍子抜けする。
『ま、じっすか……』
「わっ、Aちゃん顔真っ赤…!安室さん!!見てください、Aちゃん照れてますよ!」
『無言で連写しないでください安室さん』
ぱっと顔を背ける。
顔に手を当ててみると、うわ、ほんとに熱い。…さっき感じた熱さは私のだったのか、と思いまた体がじくじくと熱くなるのがわかる。
こんな乙女みたいな所見られたくなくて、そっと俯く。
「…そういう反応、しないでくれるか」
と、頭上から安室さんの声が聞こえた。
思わず顔を上げると、口元を覆う安室さんがいた。
安室さんは私の耳元に口を寄せ、「襲いたくなる」と呟いた。
『こっっこの〜〜〜バブバブフェイスイケメンめ!!!』
カウンターに入り梓ちゃんを抱きしめる。むり、古谷ボイスしんどい。耳元、むり。むり。声良すぎ。腰砕ける。
梓ちゃんはふふっと笑って、店員じゃないのに休憩スペースへ案内してくれた。
安室さんは来ちゃだめです。とカウンターへ飛び込んできた安室さんに釘を刺して。
パタン、とドアを閉じた密室空間で、私はにやにやする梓ちゃんの顔をきっと睨んだ。
『あーずーさーちゃーんー!私男慣れしてないのー!』
「いつもと違うAちゃん、可愛かったなぁ」
『わー!!!』
ほんとに、男性経験無いんです。笑っちゃうくらい無い。
付き合った人0、キスした人0、手を繋いだ人も0。
こんな私がさ、イケメンに「襲いたくなる」って…!!!
『もうむり……しばらく安室さんと会わない…[バキッ]え』
「やめてください!!!死んじゃうじゃないですか!!」
『うわっっちょっなっ』
なんでドアノブ壊して入ってきてるんですかこのゴリラーーーーーー!!!
休憩スペースは軽く阿鼻叫喚。いや例えが怖すぎたか。
梓ちゃんは「きゃー!!」とドアノブが壊れたことにびっくりし、私は『うわっっ』と安室さんに抱きしめられてるこの状況にビビった。
安室さんはなんかギャン泣きしてるしコナンくんはそんな安室さんに引きつつ引き剥がそうとする。
そこにJKが炎上炎上たばかりに写真を撮ろうとしたり常連さんは梓ちゃんの叫び声にわたわたと休憩スペースへ入ってくる。
おまけに大尉まで走り回る。
……うん、間違いなく阿鼻叫喚だわ。
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ccndayo(プロフ) - はあ。。素敵すぎました。途中で涙が笑 (2021年1月6日 2時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
れいすみす(プロフ) - 幸せでした…尊いをありがとうございます…しゅき… (2020年5月26日 19時) (レス) id: 993cffbbce (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 涙がボロボロと、止まらなかったです…凄く良い作品、ありがとうございました…( ;∀;) (2020年5月4日 10時) (レス) id: c930be9ed1 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2020年2月12日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)mこれからも素敵なお話を作ってください!ジン様好き〜〜〜! (2019年11月23日 0時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あると | 作成日時:2019年6月25日 2時